2015年12月12日土曜日

水よりも安い鉄鋼製品

産業の米と呼ばれる鉄の価格が単純比較で飲料水の3分の1にも満たないという現象が起きている。生産拡張による供給過剰が数年続く中国の鉄鋼メーカーが安い製品を韓国など海外に輸出し、韓国国内の鉄鋼価格が下落したためだ。

最も基本的な鉄鋼製品である冷延鋼板、電気鋼板の素材として使われる熱延製品が代表的だ。韓国の熱延製品の価格は2008年には1トン当たり99万ウォン(約10万3000円)だったが、今月には同49万ウォン(約5万1000円)へと半額に下落した。それを1キログラム当たりに換算すると約490ウォン。国産の飲料水ブランド「三多水」が500ミリリットル当たり850ウォン(コンビニエンスストア店頭価格)であることを考えると、鉄の価格が水の3分の1にも満たないことになる。

■中国が「主犯」

こうした現象を引き起こした主犯は中国だ。中国は鉄鋼の消費量、生産量でいずれも世界最大だ。しかし、無理な増産で鉄鋼生産量が急増したのに対し、2008-09年の世界的な金融危機以降長期化する低成長で鉄鋼消費が落ち込み、直撃を受けている。

実際に中国国内の鉄鋼消費は昨年、前年比3.4%減となり、金融危機以降初めてマイナスとなった。ポスコ経営研究所のシム・サンヒョン首席研究委員は「中国の鉄鋼産業は過去15年間に年平均13%という急成長を遂げたが、今年は年初来7月までの鉄鋼製品消費量が前年同期比4.4%減少するなど、ピークを過ぎて下落局面に入ったムードが色濃い」と指摘した。

消費が明らかに低迷していることを受け、中国の鉄鋼メーカーは剰余生産分を輸出で処理している。今年1-7月の中国による鉄鋼輸出量は前年同期比27%増の6158万トンに達した。この勢いならば、昨年(9400万トン)を上回り、年間で少なくとも1億トンを突破するとの見方が有力だ。

安価な中国製品があふれ、中国以外の鉄鋼メーカーは大きな打撃を受けている。米鉄鋼業界2位のUSスチールは過去1年間で株価が70%も暴落し、昨年は北米で3000人を解雇した。英鉄鋼最大手、欧州鉄鋼2位のレッドカー製鉄所も債務返済が難しくなり、廃業を申請した。 朝鮮日報より

中国が在庫処分をするために鉄鋼製品を格安で海外に販売している。その影響で各国の鉄鋼メーカーは経営危機に陥り、倒産する鉄鋼メーカーも出始めている。日本鉄鋼のメーカーも影響を受けそうである。

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