2015年12月13日日曜日

中国の大気汚染の無策(国内でお金を使わない政権への不満の高まり)

北京の大気汚染がついに赤色警報になりました。北京市は、大気汚染の汚染レベルを青色、黄色、オレンジ色、赤色の4段階に分けて表示しており、赤色警報が発令されるのは初めてだそうです。

それにより、学校は休校工事現場も休止となりました。この数日前にはオレンジ色警報が発令されましたが、その時すでにPM2.5の濃度が一部地域で1000マイクログラム近くに達したけれど、赤色ではなくオレンジ色警報にとどまったのは、交通規制などで社会が混乱することを避けるためだったとの批判もありました。

大気汚染の原因は、以前からあらゆるメディアで指摘されているし、読者の皆さんもすでにご存知なので詳しくは述べませんが、石炭の使用の多さです。 

中国の石炭火力発電全電力の約8割も占めています。しかも煤煙を防ぐ装置もほとんど付けられていません。

加えて、冬は人民が石炭を燃やして暖を取る生活をしているため、よりいっそう大気汚染が進むのです。

中国人民の生活は、日本の終戦直後と変わりません。大都市といわれる北京市内でさえ、富裕層は一握りであり、多くの人民は石炭を燃やし暖を取り、不衛生な環境で調理をし、つぎはぎだらけの服を着て冬を越すのです。北京の地下道で暮らすネズミ族100万人とも言われています。

100万人が地下暮らし、「ネズミ族」の実態は 北京

今年一年、中国は積極的に外交を進めてきました。東南アジア、東アジア、欧米、南米と、習近平は世界のあらゆる国へ出向いては、大盤振る舞いの国家支援を申し出て友好関係を強調してきました。記憶にも新しいですが、訪米の際にはボーイングの旅客機を300機も発注して世界を仰天させました。

インドネシアでの新幹線事業の落札も、日本と競っているように見えましたが、その実は巧みな外交と潤沢な資金提供によって、入札以前に勝負はついていたと言われています。

インドネシア高速鉄道、中国の計算

中国は、インドネシア政府財政負担や債務保証を要求しないという条件を出して新幹線事業を落札したのです。常識では考えられないような条件を出し、欲しいものは手に入れる。そして、「損して得獲れ」との言葉通り、インドネシアでのインフラ投資を手中にすることで中国の一帯一路構想を着実に進めているつもりなのでしょう。

しかし、こうした世界での大盤振る舞いに対し、中国国内での不満が高まっています。さながら観光客の爆買い同様、習近平は各国で大金をばらまいています。しかし、観光客と違うのは、習近平ばらまいているお金人民から徴収した税金だという点です。

「金をばらまくのはもうやめて!」中国で習近平主席の外交に批判の声、国民は我慢の限界―米華字紙

「ばらまくのはもうやめて!!」という悲鳴に近い声がネットで挙がっていることを報じていますが、それも、このように大気汚染問題が深刻で、生命に関わる重大事態なのに、中国は交通規制や休校などの一時しのぎばかりで、根本的な改革を怠っているからです。

煤煙の出ない石炭も売られていますが、貧困層は高くて手をだせません。ここに格差問題があります。電力供給にしても、エネルギーの効率化よりも経済成長を優先してきたために、とにかく大量の石炭を燃やして生産することにばかり力を注いできたという背景があります。

そのため、鉄鋼などは過剰供給となって、世界の鉄鋼市場の価格を暴落させているのです。
さらに、企業も自己利益のことしか考えないため、集塵装置などは取り付けず、規制はあっても役人に賄賂を渡すことで逃れてきました。

さまざまな問題が集約されているのが、この大気汚染問題なのですが、習近平自身も、北京でAPECや国際大会が開かれるようなときには強制的に自動車や工場の操業を停止させて中国の青空を海外に見せるのですが、それが終われば元の木阿弥になってしまうということが続いています。
結局、習近平の大気汚染対策も、外国へのバラマキと同様に、本人の見栄のためにやっているにすぎません。だから人民からの不満の声が高まっているのです。MAG2NEWSより

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