経済低迷が続くお隣・韓国で、金融危機が現実味を帯びている。家庭の借金である家計負債が急速に膨張、これが引き金をひく可能性があるというのだ。国際通貨基金(IMF)のリポートも家計負債の異常な高さに着目し、警告を発した。借金の膨張は何が原因なのか。ノンフィクションライターの高月靖氏が、朴槿恵(パク・クネ)政権の経済失策に迫る。
米国の感謝祭シーズンにちなみ、韓国でも今年10月第1~2週に実施された韓国版「ブラックフライデー」。個別消費税30%オフなどを目玉に、大規模なセールイベントを政府が主導する消費活性化策だ。
ねらい通りイベントに参加した商業施設は売上高が7194億ウォン(739億円)増え、10月の消費は5・8%増。だが、素直に喜べない数字もある。同月中にはクレジットカードや銀行の個人向け融資などの貸出額も、4兆3000億ウォン(4425億円)増加した。
「財布が空の家庭が、借金で服や自動車を買ったようなもの」(ハンギョレ新聞)と現地メディアに揶揄されるゆえんだ。
韓国ではいまこの家庭の借金=家計負債が、金融危機を招く「時限爆弾」として懸念されている。
今月上旬にはIMFアジア太平洋局の主任研究員が、「韓国の家計負債は金利上昇のリスクにさらされている」と警告。その後、間もなく米国が利上げに踏み切ったことで、一層リスクが現実味を帯びている。
韓国の家計負債は2000年代から拡大の一途にあるが、特に14年以降の伸びが著しい。月ごとの増加幅は、今年4月に8兆5000億ウォン(8727億円)で過去最大を更新。10月にも同9兆ウォン(9240億円)で記録を塗り替えた。
家計負債残高は13年末の約1000兆ウォン(約103兆円)から、15年末には約1200兆ウォン(約123兆円)に膨らむとされる。
経済協力開発機構(OECD)によると、家計負債が可処分所得に占める割合は、14年末の162・4%から15年6月末には166・9%に拡大。日本は129%(13年)、米国は115%(同)だ。
この急膨張をもたらしたのが、朴政権の景気活性化策だ。セウォル号事故が消費不振をもたらしていた昨年7月、朴政権は崔議員を副総理兼企画財政部長官に任命。崔長官は、翌月から住宅関連融資の規制を大幅緩和するなどの景気刺激策を打ち出し、中央銀行も金利引き下げで歩調を合わせた。これで住宅購入を中心に貸し付け需要が一気に高まる。
「ただし、変動金利ローン、契約当初は利息だけ払えばいい『据置式』など、不安定な融資が中心。名目だけ住宅ローンで、実際には生活費や自営業の運転資金にあてる例も多く、信用等級が低い層の融資が2割とも言われる」(現地日本人事業者)
これが米国の利上げに伴う金利上昇で、大量の債務不履行者を生む時限爆弾の「信管」になりかねないわけだ。
「政府は審査厳格化などによる家計負債の引き締め策を発表したが、首都圏以外での実施は、来年4月の総選挙後に持ち越された。家計負債の急増はまだ続くだろう」(同)
融資の急増で不動産市場がにぎわう半面、国民の実質所得は今年第3・四半期の伸び率が実質0%と低迷。「崔長官は結局『借金だけ増やした』とも批判され、新たな引き締めで、今度は不動産市場を停滞させる恐れもある」(現地シンクタンク研究員)
家計負債という爆弾に、朴政権は待ったなしの対応を迫られている。 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2015年12月25日金曜日
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