2015年12月11日金曜日

災害時のトイレ事情

水洗トイレ派、基本的に電気、給水、排水、処理施設の全てが機能して成り立っています。その為、大きな災害起こると水洗トイレが使用出来なくなります。水が流せないのであっという間に糞便の山になります。

東日本大震災の小学校の保護者に発災から何時間でトイレに行きたくなったかと聞いてみたところ、6時間以内が67%でした。

避難所でまず行うのは、身を休める場所と食糧の確保、その後ようやくトイレのことが気になります。トイレの対応は命に関わるだけに、出来るだけ早く対応しなければならない。

しかし、残念な事に阪神淡路大震災、新潟中越地震、能登半島地震、東日本大震災等の地震ではトイレ問題は後回しにされました。

避難所のうち約40%でトイレの汚物処理が十分出来ず、衛生状態が悪化し少なくとも約50人が下痢、20人が嘔吐の症状が出たと報告されています。

トイレが不衛生、段差があり和式トイレでしゃがめない、外のトイレは寒い、夜は怖いなど安心してトイレに行くことが出来ない状況では、水や食事を控えがちになります。水分を控えることで脱水症状や血圧上昇等を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症で命を落とす事もあります。

復興庁では震災関連死の原因として最も多いのが、避難所等における肉体的・精神的疲労です。劣悪なトイレ環境が影響していると考えられます。

災害時のトイレ対策が大きく前進しようとしています。内閣府は避難所におけるトイレ等の生活環境面での質の向上させるため、取り組み指針について全面的な見直しを検討しています。

国交省は、被災時における快適で衛生的な生活環境の確保に寄与する為、マンホールトイレ整備・運用のための、ガイドラインの策定を進めています。

経産省は仮設トイレ。携帯トイレ、簡易トイレと調達等に検討をし、環境省は災害廃棄物対策行動指針を策定しました。

災害時になくてはならないのは、トイレである。避難所は多くの人が避難するだけにトイレ事情は最重要課題である事は間違いない。衛生的な環境で避難生活をするためにも、国として全力を挙げて整備をしてほしいものである。

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