記者会見したJAXAの広瀬史子(ちかこ)主任研究員によると、速度変化などからあかつきが約13日で金星を1周する楕円(だえん)の軌道に乗っていることを確認したという。最も金星に近づいた時の高度は約400キロ、最も離れた時の高度は約44万キロ。今後3カ月間、試験的な観測をし、来年4月までには金星を9日間程度で1周する楕円軌道に移行する。
あかつきは2010年12月に主エンジンの故障で軌道投入に失敗し、5年間にわたって太陽を周回していた。再度、金星に近づいた今月7日、姿勢制御用の小型エンジンを使って減速し、周回軌道投入に再挑戦した。搭載機器の劣化が懸念されていたが、受信した画像からカメラの状態は良好だという。
プロジェクトマネジャーの中村正人JAXA教授は会見で「5年かかったが、われわれの夢が実現した。アンテナなど使っていない機器もあるのできちんと動くかどうか確認したい」と話した。
金星は硫酸でできた分厚い雲に覆われ「スーパーローテーション」と呼ばれる秒速100メートルもの暴風が吹いている。あかつきは6種類の観測機器で金星特有の気候の仕組みや活火山の有無などを観測し、誕生時は地球に似ていたとされる環境が変わっていった過程に迫る。毎日新聞より
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