2015年12月11日金曜日

最新型の潜水艦「じんりゅう」

最新型潜水艦「そうりゅう」型。来年3月には、7番艦「じんりゅう」が就役予定であり、2020年までに11隻を保有する計画である。

最大の特徴は、これまで海上自衛隊が配備してきた潜水艦と異なる動力を搭載したことだ。AIP(Air-Independent Propulsion)、非大気依存型推進である。

これまではディーゼルエンジンを動力としていたため、大気中の酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する必要があった。時々、海面近くまで浮上しなければならない。潜水艦は潜っていてこそ真価を発揮する。定期的に浮上をすれば、敵に見つかる可能性が高くなる。

一方、「そうりゅう」型はスターリングエンジンを動力とした。これは気体を温めて膨張させてピストンを持ち上げ、海水で気体を冷やして収縮しピストンを下げる。この繰り返しでエンジンを動かす。燃費もよく、吸排気を必要としないため、長期間にわたる潜航を可能としたのだ。

09年に1番艦「そうりゅう」が就役した時点では、最も無駄のない優れたエンジンとも言われていた。原子力潜水艦に次いで長く海中に潜っていられるからだ。

しかし、エンジンを動かすことに変わりなく、どうしても音が出る。そこで、リチウムイオン電池を搭載し、電気で動かす仕組みに行きついた。

簡単に言えば、自宅で携帯電話を充電するように入港中に充電する。外では本体内の電池で動作し、帰ってきて再び充電、といった具合だ。電池の持ちは良く、数週間の活動が可能だという。

新しい技術は、20年以降に誕生する改「そうりゅう」型で採用される。

この改「そうりゅう」型を買いたいと手を挙げる国が現れた。事実上の「準同盟国」とされるオーストラリアだ。次期潜水艦としての要求性能はすべて満たしており、交渉はうまく進んでいた。

日本は武器の輸出を進めるため、防衛装備庁という新たな役所も立ち上げ、武器輸出三原則を緩和した防衛装備移転三原則へ改定した。自衛隊初の武器輸出のため、賛成派も反対派も大騒ぎしたが、土壇場で“買い手”から待ったがかかった。

日本ですべてのパーツを製造し、オーストラリアで組み立てる「ノックダウン生産」が不満のようだ。国内生産の比率を70%にしたいという。

そこで、フランスが提案する「バラクーダ」型潜水艦が採用される可能性が出てきた。原子力潜水艦がベースで、ディーゼルエンジンに乗せ換える若干無理のあるプランだが、「ライセンス生産」で国内生産の比率は100%だ。これが、かなりオーストラリアの心を揺さぶっている。

 結論は、来年3月に出る予定だ。

 ■潜水艦「そうりゅう」型
 全長 84メートル
 全幅 9.1メートル
 排水量 4200トン
 最大速度 13ノット(水上) 20ノット(水中)
 乗員 65人
 武装 魚雷発射管×6
夕刊フジより

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