2015年12月6日日曜日

中国国内しか飛べないARJ21

2015年11月11日、名古屋空港において、日本国産のリージョナルジェット機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の初飛行が実施され、日本はもちろんのこと中国でも大々的に報道された。MRJは16年から米国で飛行試験を継続し、17年に量産初号機の納入が計画されている。

一方、中国ではMRJの競合にあたるリージョナルジェット「ARJ21」がこのほど成都航空に引き渡されたことが大きな話題となっている。中国は将来的に世界最大のリージョナルジェット市場となる見込みだが、中国メディアの証券日報は「ARJ21は中国国内のリージョナルジェット市場を独占できるはずだ」と主張した。

記事は、中国経済が発展するにつれ、中国国内の西部地域の開発や地方空港における就航需要が拡大していると伝え、ARJ21が中国国内で求められていると強調。また、ARJ21の85パーセント以上の部品が中国メーカーによって製造されたと胸を張りつつ、商業飛行に必要な型式証明の取得に、2008年の初試験飛行から6年もかかったことを挙げ、世界で試験飛行時間がもっとも長い旅客機の1つとなったとし、「だから安全だ」と主張した。

型式証明は設計・製造国の航空当局が審査を行う。日本では国土交通省が管轄であり、国土交通大臣によって発行される。自国以外の空港を使用するには相手国でも別途、型式証明を得る必要がある。ARJ21は中国国内での型式証明は取得できたが、米国などでは取得できておらず、米国、欧州、日本国内では飛行することができず、販売することも不可能だ。

ARJ21が納品されるとほぼ時を同じくして、MRJが初飛行を行ったことに対し、中国国内では「中国の航空機産業は日本をリードしている」などとする報道も見られる。MRJにはこれから型式証明を取得するための課題が待ち受けているが、MRJが世界の空を飛ぶ姿にぜひ期待したい。

中国のARJ21は国内で型式証明が発行されたが、世界の空を飛ぶためには、自国以外でも形式証明書を取得する必要があり、ARJ21は他国での形式証明を取得していなく海外で飛ぶことが出来ない航空機である。

日本のMRJは他国でも飛べる様に、欧米での形式証明を取得してもらい、世界の空を飛行してほしいものである。

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