[東京 3日 ロイター] - 日銀の木内登英審議委員は3日都内で講演し、年間80兆円(残高ベース)の国債買い入れを「永遠には続けられない」ため、市場で買い入れの限界が意識されれば金利が上昇するリスクがあると警鐘を鳴らした。自身が提案する買い入れ減額の必要性を主張するともに、急激な円高・株安には一時的な大量の資金供給が望ましいとの案を示した。
<来年は国債の4割を日銀保有、「未曾有の領域」>
木内委員は昨年10月の追加緩和に反対。その後も一貫して国債買い入れの減額を1人で提案し続けてきた。この日の講演では現行の「量的・質的緩和(QQE)」を継続する副作用の大きさを示すとともに、急激な市場変動への対案を示した格好だ。
日銀の公式見解では物価が2%の目標2016年度後半に達成する見通しだが、木内委員は「2%は日本経済の実力をかなり上回っている」ため「17年度まで視野に入れても達成する可能性は低い」と指摘した。目標を「金融政策のみで実現するのは難しい」とし、追加緩和など「短期間で物価を押し上げようとすれば経済・物価の安定をむしろ損なう」とした。
国債買い入れ自体も壁に直面しており、株安などで国内の金融機関が国債を買い増す場合、「日銀による国債の買い入れが困難化する事態も考えられる」とした。国債買い入れの限界が「突然意識されれば、国債金利の大幅な上昇につながる可能性も考えられる」と懸念した。
日銀が現行の国債買い入れを継続すると、国債発行残高に占める中央銀行の保有比率が、現在主要国で最大の英国(約4割)を上回り「未曾有の領域に入る」と指摘した。
<市場急変には短期的資金供給で対応>
金融市場では、中国要因で株価が急落した8月など、木内委員に対して市場急変の際の政策対応について説明を求める声が出ていたが、木内委員は「短期的な環境変化に対して量の拡大は妥当でない」と述べ、「経済情勢が著しく悪化すれば、量の目標に拘らず一時的な円・ドル資金供給を検討すればよい」と説明した。
木内委員は、QQEについて、すでに日本経済の潜在的成長力とのかい離を示す需給ギャップの解消など効果があったが、実質金利を押し下げる効果は徐々に減少しており、昨年の追加緩和以降は「限界的な効果は少ない」とした。
年間45兆円への減額を提案している理由として「政府の国債発行額(カレンダーベース)の5割以下となるため、買い入れの持続性を高めるため」と説明した。
一方、「日銀が保有する国債など資産の売却による、バランスシートの減額は、緩和効果を減らすため、現時点で考えていない」とした。
<円安による高収益、企業は棚ボタと認識>
景気については「輸出回復で一時期懸念された景気後退リスクは低下した」とする一方、中国経済減速や、米利上げによる新興国の景気下押しにより、今後輸出が順調に伸びるとは考えにくいとし、「輸出が最大のリスク」と指摘した。
企業収益が高水準な割に設備投資が慎重である点が政府・日銀の懸念事項になっているが、「企業は円安による収益をwindfall(棚ボタ)と見ている可能性がある」として、積極的に国内で設備投資に踏み切りにくい事情に理解を示した。
日銀が国債の買い入れの限界が来れば、国債の金利が上昇しする。そうなれば国債の金利払いだけで国の収入は国債の利払いに多額の金額を支払う事態になる。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2015年12月6日日曜日
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