米国と中国がにらみ合いを続ける南シナ海で、両国海軍が衝突した場合、どうなるのか。
中国海軍は念願の空母を保有し、着々と潜水艦戦力の拡充を図っている。外洋進出できる実力も身に着けてきた。保有艦艇も871隻で、世界最強の米海軍の949隻と大差はない。
だが、米海軍の総トン数は624・3万トンだが、中国海軍は147・0万トン。つまり中国海軍の艦艇は、一部の大型艦を除けば、大半艦艇は小さく、戦闘能力にも限界があるとみられる。
中国空母「遼寧」(全長305メートル、全幅73メートル、排水量6万7500トン)にしても、その戦闘力は、横須賀を母港とする米原子力空母「ロナルド・レーガン」(全長333メートル、全幅76・8メートル、排水量10万1429トン)などの足元にも及ばない。
空母の戦闘力は、艦載機の性能によるところが大きい。
ロナルド・レーガンが搭載する戦闘攻撃機「F/A-18スーパーホーネット」は、対空・対地・対艦の攻撃能力を獲得したマルチロール機で、豊富な運用経験を誇る。遼寧が搭載予定の戦闘機「J15(殲15)」(=ロシア戦闘機スホーイ33のコピー)を圧倒するだろう。
水平線の向こうの敵機を探知できる早期警戒機E2Cの存在は決定的で、航空戦の勝敗に大きく影響する。
空母は単艦で作戦行動せず、空からの脅威を排除するイージス艦などの防空艦や、潜水艦を寄せ付けない高度な対潜能力(ASW)を持つ護衛艦艇の随伴を必要とする。米海軍はこれらを約80年も運用し、実戦経験を積んできたが、中国海軍のこうした能力は低いとみられている。
特に、中国の対潜能力は「1世代ほど遅れている」と指摘されており、米軍の原子力潜水艦を探知することすらできないだろう。これでは空母機動部隊の運用など不可能だ。中国は「遼寧」のほかに2隻の空母を建造中だが、米空母に対抗できるような代物ではないと断言できる。
中国海軍は、潜水艦戦力の近代化に懸命だ。
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載する「晋」級戦略原子力潜水艦や、国産の「元」級潜水艦などの配備を進めている。「元」級は、ドイツ製ディーゼルエンジンや、水中での航行時間を延長するAIP(非大気依存推進)機関の搭載も伝えられ、潜水艦の命である「静粛性」も改善されたとされる。
それでも現時点では、米軍の最新鋭哨戒機P8「ポセイドン」や、「シーウルフ級」「ヴァージニア級」の攻撃型原潜には対抗できない。
中国海軍は対米核戦略の一環として、戦略ミサイル原潜からSLBMを発射する“基地”として南シナ海を実効支配すべく、岩礁を埋め立てて軍事基地化している。これで米中の軍事的緊張が高まっているのだ。
だが、米空母機動部隊と攻撃型原潜が南シナ海に本格的に展開し、周辺海域上空をP8が飛び回れば、中国海軍は手も足も出せなくなるだろう。 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2015年12月9日水曜日
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