2015年12月12日土曜日

介護事業所倒産急増

「介護事業者」の倒産が急増している。東京商工リサーチの調査によると、2015年1~11月の「老人福祉・介護事業」の倒産件数は66件と過去最悪を記録。すでに前年の年間件数(54件)を上回っている。

 企業業績が上向き、全体の倒産件数はバブル期並みに低いのに、例外的に「介護事業者」の倒産だけは増えているのだ。設立から5年以内の「新規事業者」と「小規模事業者」の倒産が目立つという。原因は、深刻な“人手不足”だ。東京商工リサーチ情報本部の原田三寛氏がこう言う。

「ある介護業者は、施設は用意したのに、働く人が集まらないため、いつまでたってもオープンできず、賃料がかさみ倒産してしまった。介護は成長産業だということで、他業種からの新規参入が相次いでいるのですが、とにかく働き手がいない。人が集まらないのは低賃金だからです。介護報酬は政府が決めているため、事業者も高い報酬を払えないのが実態です」

今年4月、安倍内閣が9年ぶりに「介護報酬」を引き下げたため、ますます介護業界から人が逃げ出しているという。

「新3本の矢」を掲げた安倍首相は「介護離職者ゼロ」を訴えているが、現場で働く人がいなければ、「介護離職者ゼロ」の実現など絶対に不可能。働き手を増やすために、介護報酬をアップしなくてはならないのに、ダウンさせているのだから、どうかしている。現在、年間10万人の「介護離職者」を増やすだけだ。

「いま特別養護老人ホームを利用している人は54万人。さらに、入居待ちをしている老人が52万人もいます。介護離職者を減らすには、多くの介護施設を用意しなくてはいけない。でも、必要なのはハコじゃない。人手です。ハコは廃校になった学校などを再利用すればいい。なのに、安倍政権はハコづくりにばかり目がいっている。恐らく、介護の実態を知らないのでしょう。介護現場で働く労働者の賃金は、平均より月に10万円も少ない。これでは人は集まりませんよ。報酬を平均より10万円多くすれば、あっという間に人が集まるし、しかも質の高い人がくるでしょう。なぜ、安倍首相はそんな簡単なことがわからないのでしょうか」 日刊ゲンダイより

次男も老人ホームで非常勤で働いているが、人手不足で現場が回らないという、それほど人材不足である。給与も安いし3K(きつい、汚い、危険)職場に若い人は皆無である。次男も来年になれば試験を受け、常勤職員として採用されればと願っている。

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