2015年7月7日火曜日

日本は第二のギリシャ

新聞やアナリストは、「ギリシャ危機の余波をどれだけ受けるか」をしきりに論じているが、全く的外れだ。日本は今、「第二のギリシャになるかどうか」の瀬戸際に追い込まれている。

数字は雄弁に物語る。日本の政府債務(財投債も含む国債発行残高)を対GDP比で見ると、現在は229%だ。アメリカは111%、イギリスも113%、ドイツは79%で、G7の中では日本は群を抜いて高い。

注目すべきはギリシャとの比較だ。日本はギリシャの188%を大きく上回っている。しかもよく見ると、借金の上昇曲線の形が不気味に似ているのだ。

この数字は第2次安倍政権発足後の2年半で約15%上昇した。この間、アベクロノミクスの金融緩和策により、日銀が国債を買いまくる一方で、予算が肥大化し発行額が急激に増えたことが原因だ。

それでも安倍政権は「日本国債の多くは日本国民や国内金融機関が買っているため、国外金融機関の保有率が高いギリシャとは事情がまったく違う。借金は多いが日本が財政破綻する心配はない」と力説する。しかし、市場関係者はそう楽観はしていない。

「日銀は金融緩和で国債を大量購入しているが、それでも今年に入ってからは市場では国債の買い手がつかず、だぶついている。この2月には金利が一時急上昇し、市場関係者は冷や汗をかいた。このままではいつか暴落するという見方で一致している」

2年前に合わせて約109兆円の国債を保有していたメガバンク3行は、昨年末時点で約76兆円へと、約33兆円売却した。某メガバンク幹部は「国債相場が急落しても損失が出ないようにデリバティブでヘッジをかけている」と明かす。

いうまでもないが、国債が暴落した時、日本は今のギリシャと同じ立場になる。

※週刊ポスト2015年7月17・24日号

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