2015年7月17日金曜日

中国侵攻に備える台湾

サーチナ=中国のポータルサイト「新浪網」などによると、台湾の「IDF」戦闘機が滑走路破壊などに用いられるクラスター爆弾の弾頭を持つ「万剣」ミサイルを搭載していることが確認された。

クラスター爆弾は容器となる大型の弾体の中に多数の子爆弾を搭載した兵器。不発弾が残るため、戦闘終了後に民間人に被害を与えることがあり、ノルウェーの呼びかけで2007年にオスロで国際会議が開催され、同爆弾を禁止する条約の制定が提唱された(オスロ宣言)。

しかし米国やロシア、中国はオスロ会議に不参加で、同宣言にも無関係だった。日本は会議には参加したがオスロ宣言には参加しなかった。ただし日本は、精密誘導弾を導入することで、クラスター爆弾の廃棄を実施。2015年2月にクラスター爆弾の廃棄を終了したと発表した。

「万剣」の戦闘機からの第1回の試射が行われたのは2010年5月。台湾では開発を進めると同時に、予算案のとりまとめなどの作業が進んだ。台湾空軍による制式採用は2014年で、2015年内には量産がはじまるとされる。

万剣の射程は200キロメートル以上で、2017年末までには台湾が開発した「IDF(経国)」戦闘機の127機が搭載可能に改造される。中国で台湾進攻の作戦準備が本格化した場合、台湾海峡上空で発射し、中国大陸部沿海地帯の飛行場の滑走路などを破壊して、大陸側の作業を遅らせる。  

台湾では、大陸側が侵攻作戦を実施する場合、短時間のうちに「台湾制圧」を完了させ、中国による「祖国統一」を既成事実として、米国の介入が不可能にされてしまう「シナリオ」も想定している。  「万剣」は大陸部への攻撃を念頭に置いているが、大陸側の動きに応じて米国が軍事介入するための「時間稼ぎ」が目的であり、戦争抑止力として機能することを考慮すれば「防御的兵器」に位置づけることができる。

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