1960年代から東〜東南アジアにかけてバナナ産業に大ダメージを与えてきたこの病気は、現在ではラテンアメリカ、パキスタン、レバノン、ヨルダン、オマーン、モザンピーク、オーストラリア全世界に蔓延するようになっている。
■バナナ絶滅で食糧危機も
とはいえ「バナナが食べられなければ、他のフルーツを食べれば?」と我々日本人は思ってしまうが、バナナは世界をみわたせば貴重な栄養源となっているのだ。およそ4億人がバナナで栄養を摂取していると見られており、アフリカのルワンダやウガンダの人々は、年間227kgもバナナを消費している。
バナナの生産が止まってしまえば食糧危機が起こる可能性もあるし、我々が気軽に食べていたバナナは、金の延べ棒なみに高価なフルーツになってしまう可能性もあるだろう。病気の蔓延はきわめて重要な問題なのだ。
水木しげる先生の好物といえば腐りかけのバナナでした。
美味しそうに描いてましたね。
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■遺伝子組み換えが唯一の対抗策?
この世界的なバナナバイオハザードを受けて、現在ウガンダでは遺伝子組み換えによる耐性バナナを開発中。またフィリピンなどでも新種のバナナの開発に着手。遺伝子組み換えや新種でこの危機を乗り越えようとしている。
1920年代にも一度このバイオハザードが発生し、当時メジャーだったグロスミッチェル種のバナナは絶滅に瀕したが、当時この病に強かったキャベンディッシュ種を広げて事なきを得た。
だが、現在このキャベンディッシュ種がパナマ病にかかるようになってしまい時代は繰り返すのだ。今度のバナナ絶滅危機を乗り越える方法は、まだ見つかっていない。
庶民の果物である、バナナが絶滅の危機にある。世界ではバナナを主食にしている国があるだけに、事態は深刻である。フザリウム菌を死滅させる薬の開発が求められている。
バナナの高級品の果物になるかも知れない。
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