2015年12月4日金曜日

高高度滞空型無人偵察機「RQ-4グローバルホーク」購入

防衛省は、高高度滞空型無人偵察機「RQ-4グローバルホーク」の配備を決めた。米国は先月20日、日本にグローバルホーク3機を売却することを正式に決め、議会へ通知した。早ければ、来年3月までに最初の1機が引き渡される。

自衛隊は現在、E-2CやAWACSなど有人の警戒機や、偵察型ファントムであるRF-4Eなどを配備している。ここにきて無人偵察機の配備を決めた理由は“飛行時間”である。

グローバルホークは高度1万6000メートルを最長で34時間も飛行可能だ。有人機でも、空中給油機で燃料の補給を受ければ何日間でも任務遂行できるが、あくまで理論上の話である。生身の人間であるパイロットには休憩が必要であり、34時間も飛ばし続けることは不可能だ。

長時間、恒常的に領空内を飛行できれば、敵機や敵艦の侵入を未然に察知できる。現在、領空侵犯の恐れのある国籍不明機に対し、航空自衛隊が緊急発進(スクランブル)しているが、もっと早く存在を認知できる。

もう一つ、無人機は人が近づけない場所にも行ける。福島第1原発事故直後、自衛隊は現場の偵察に苦慮した。建屋上空からの映像が欲しかったが、手段がなかったのだ。米軍はその時、グローバルホークを飛ばして撮影に成功した。

危険で過酷な任務こそ、ドローンの真骨頂である。無人偵察機の導入で、人間では得られなかった情報収集が可能となるのだ。

米軍は中高度滞空型無人偵察機「RQ-1プレデター」も配備している。ミサイルを搭載し地上攻撃も可能だ。ジャーナリストの後藤健二さんらを殺害した過激派組織「イスラム国」(IS)の幹部、通称「ジハーディ・ジョン」を殺害したのもプレデターである。

グローバルホークを正面から見て、頭の膨らんだ部分には衛星用アンテナがある。機体下部の無数の突起は、地上を探索する各種レーダーだ。それらのスペースを確保するため、エンジンは機体の真上に乗せている。

長時間飛行できるようにグライダーのように翼が異様に長い。この形状がグローバルホークの特徴である。最新式のブロック40では、通信・信号傍受などの「シギント活動」も可能だ。

米空軍は、東シナ海への警戒飛行の前進基地として三沢基地(青森県)にグローバルホークの基地を置いている。防衛省も空自三沢基地をグローバルホークの拠点とする。情報交換やメンテナンスなど、共用できる部分が多いからだ。

ただし、配備先は空自ではなく情報本部となる。よって、グローバルホーク部隊の人員約50人は陸海空自衛官で構成される。 夕刊フジより

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