日本、ドイツ、フランスの3カ国が受注を競うオーストラリアの次期潜水艦導入計画で、日本の「そうりゅう型」が受注した場合、そうりゅう型に用いられているステルス技術を豪州側と共有することを日本側が保証したと、8日付の豪紙オーストラリアン(電子版)が伝えた。
隠密行動が重視される潜水艦で、ステルス技術は最高機密のひとつ。中国海軍の海洋進出が進む中、日本政府は機密情報の共有を通じ、豪州を海洋安全保障のパートナーとする姿勢を強調したものとみられる。
同紙によると、日本は潜水艦の製造技術について、これまで米国とのみ機密情報を共有してきたが、豪次期潜水艦を受注した場合、豪政府とも共有することを保証したという。若宮健嗣防衛副大臣が同紙に対し明らかにした。
また日本は、豪州向けに製造するそうりゅう型で、寝台やトイレといった艦内を豪海軍が使い慣れた仕様に作り替えることも可能だとしている。寝台をオーストラリア人の平均的な体形に合わせて大型化するなどの居住空間の仕様変更や、トイレを男女別に設置したり、ウォシュレット機能を付けることも豪海軍の希望次第でできるとしている。
さらに、船体を通常より6~8メートル延伸し、より大型の蓄電池を積載できるようにしたタイプを、豪州に提供することも提案しているという。
同紙によると、そうりゅう型は、搭載する蓄電池を従来の鉛蓄電池に代え、より高機能で軽量なリチウムイオン蓄電池への移行を進めている。通常動力型の潜水艦では、蓄電池の性能が潜行航続距離などを左右する。日本の防衛関係者は同紙に、「ライフル銃の銃弾を蓄電池に撃ち込むなどのリチウムイオン蓄電池の安全性試験を実施している」と説明している。
日本側による機密情報の共有について、同紙は「この決定は、豪州を極めて重要なパートナーだとする日本の認識に基づいている」との若宮副大臣の言葉を引用している。
豪州は、2020年代半ば以降、老朽化が進むコリンズ級潜水艦と入れ替えるため、新型潜水艦を8~12隻建造する計画。建造やメンテナンスをなどを合わせ、総額500億豪ドル(約4・4兆円)相当の大型契約となるとみられる。日独仏は昨年、潜航能力やコスト、経済効果についての計画書を提出。豪政府は今年半ばにも共同開発相手を決定する方針だ。産経ニュースより
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2016年2月12日金曜日
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