2016年2月28日日曜日

最新鋭の自動車運搬船

新幹線も運べる川崎汽船の新しい自動車運搬船「DRIVE GREEN HIGHWAY」(7万6000総トン)が就航し、3月に処女航海へ旅立つ。排ガスを水で浄化する装置や、船舶用としては世界最大級の太陽光発電パネルを装備した「次世代型環境対応フラッグシップ」だ。
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「未来の自動車、未来の鉄道車両を『未来の船』で運ぶ。世界の最優先課題である環境保全に貢献していきたい」。川崎汽船の朝倉次郎会長は、横浜港で2月12日に開かれたお披露目会で誇らしげに語った。

同船は全長200メートル、幅と高さ38メートルで、ジャパンマリンユナイテッドが建造。パナマ運河の拡幅を見越してこれまでより船体を約5メートル広げた。12段のデッキに国内最大級の7500台(乗用車換算)を積み、輸送効率の向上を図る。

特長は2つある。まずは自動車や建設重機だけでなく、全長20メートルを超える新幹線などの鉄道車両も積める点。船尾の積載口の幅を従来比5割増の12メートルに広げており、長い車両も取り回せる。日立製作所が英国から受注した高速鉄道車両の輸送を想定して設計した。

そして最大の特長は、国内メーカーが数々の最新技術を投入して実現した環境性能だ。
最上部に敷き詰めた912枚の太陽光パネルは、4人家族の1日の消費電力の約6割に当たる150キロワットを発電。貨物デッキの照明をすべてまかなえる。長時間の出力安定性が高いソーラーフロンティアのパネルを採用した。

川崎重工業製ディーゼルエンジンは、軽油に水を30~40%添加したエマルジョン燃料で駆動する最新型。排気再循環装置や自動ターボ制御装置も組み合わせて燃焼効率を向上させ、窒素酸化物(NOx)の削減率は50%以上を達成。さらに硫黄酸化物(SOx)の削減率は90%を超える。エンジンから出た排ガスを海水か真水で洗い、水に溶けやすいSOxを除去する仕組みだ。三菱重工業、三菱化工機と協力し、開発中の浄化装置(スクラバー)を搭載した。

新幹線も運べる川崎汽船の新しい自動車運搬船「DRIVE GREEN HIGHWAY」(7万6000総トン)が就航し、3月に処女航海へ旅立つ。排ガスを水で浄化する装置や、船舶用としては世界最大級の太陽光発電パネルを装備した「次世代型環境対応フラッグシップ」だ。
                
SOxの排出を減らすには、触媒による水素反応によって硫黄分を低減した軽油を使う手段もあるが、精製に手間がかかり一般の燃料より3割前後も高価なのがネックだ。日本から欧州まで約1カ月の航海で消費する燃料は約1000トンに上るため、そのコストは無視できない。

その点、スクラバーを装備すれば通常の軽油を使えるため、燃料コストを抑えられる。国際海事機関(IMO)による2020年以降の規制強化に伴い、注目されている技術だ。

このほか同船には、流線形のデザインによって風圧抵抗を20%減らしたり、低摩擦塗料や高効率プロペラで燃費を約6%向上させたりと、省エネの工夫がふんだんに盛り込まれている。最大で7500台を積める船だが、燃料消費量は6000台クラスの運搬船と同等に抑えた。

創立100周年を3年後に迎える川崎汽船は昨年、50年を目標とする長期的な環境ビジョンを策定。二酸化炭素(CO2)排出量の50%以上削減や、運航に用いるエネルギーの過半を環境負荷が小さい代替エネルギーに切り替えることなどが目標だ。 

現在、貨物船に巨大な帆を建てて風力を活用する「ウィンドチャレンジャー計画」や、液化天然ガス(LNG)を燃料とする自動車運搬船の開発なども進行中だ。陸運や空運と比べ環境負荷が小さい海上輸送の長所をさらに向上させ、世界の海運業界をリードする。 産経ニュースより

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