2016年2月7日日曜日

インドネシア大量解雇反対でデモ

インドネシア各地で6日、大量解雇反対と最低賃金引き上げを掲げて数万人の労働者がデモを行いました。労組全国組織のインドネシア労働組合総連合(KSPI)が主催しました。

現地からの報道によると、首都ジャカルタでは、数千人が大統領官邸周辺でデモ行進。KSPIのイクバル議長は、外資系企業が一時帰休だとして大量解雇を進めていることや、政府が労働者の要求と関係なく今年から経済成長率と物価上昇率だけを指標にして最低賃金を決める方法を導入したことを非難。一時帰休の中止と政府の最賃引き上げ策の撤回を訴えました。

過去10年間、最低賃金引き上げの幅の著しかった同国ですが、近年燃料価格高騰などによる物価上昇で、生活条件が悪化。KSPIは、政府の最低賃金引き上げ策は労働者の声を聞かないものだと反対してきました。

同国では経済成長の低迷により、多くの多国籍企業で労働者の一時帰休が懸念されています。既に、東芝、パナソニックが一時帰休を発表。他の外資系企業も一時帰休を計画しています。KSPIは1万人以上が失業するとみており、イクバル議長は5日、組合員2000人以上が含まれると述べています。

鉱山・エネルギー製造部門の労組国際組織インダストオール・グローバルユニオンのライナ書記長は4日、ジャカルタで記者会見し、現在の最低賃金「月額125万ルピア(約1万7000円~2万3000円」)では生活維持に必要な家計支出も賄えないと指摘。賃金の引き上げは購買力の向上や経済の成長をもたらすとし、労働者と企業双方に利益をもたらすと強調しました。

共同記者会見した国際労働組合総連合(ITUC)のバロー書記長はインドネシア政府との最低賃金引き上げ協議に戻るように訴えています。

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