2016年2月27日土曜日

産業革新機構がシャープ、東芝支援から撤退

官民ファンドの産業革新機構は26日、意思決定機関の産業革新委員会を開き、シャープが鴻海(ホンハイ)精密工業への傘下入りを決めたことを報告した。機構の志賀俊之会長兼最高経営責任者(CEO)は委員会の終了後、記者団に「今日の報告をもって案件はクローズする」と話し、シャープとの出資交渉から撤退する考えを表明した。

志賀氏はシャープと東芝の白物家電部門の統合についても「東芝を単独でやることはできない」として撤退を表明した。

25日に判明したシャープの偶発債務については「我々なりに偶発債務があることは織り込んでいた」としたが「リストの中身を知らないので、我々が知っていて鴻海が知らなかったとは言えない」と述べるにとどめた。 日経新聞より

鴻海精密工業は26日、シャープから受け取った総額3500億円の偶発債務に関するリストの精査を進め、シャープとの交渉期限である29日に向けて作業を急ぐ方針である。

シャープは25日午前、臨時取締会を開き、鴻海傘下で経営再建を図ることで一致しました。しかし、鴻海側は24日に新たな重要資料を受け取りリストの存在を明らかにし、買収契約の調印を留保する意向である。鴻海側は臨時取締会の延期を要請しましたが、シャープは応せず開催しました。

シャープの担当者は中国に滞在中の郭会長に100項目におよぶリストの内容を説明し理解を求めているという。鴻海側はシャープの対応に不信を強めており、精査の結果実際に返済義務が生じる債務の返済が高いと判断した場合、交渉のやり直しもあるという。

鴻海が調印の延期を申し入れこの延期については合意したとなっていますが、交渉の最終期限は29日となっており、シャープ・鴻海が合意しましても市場がどう判断するか微妙になってきます。
29日を過ぎてしまえば産業再生機構は「撤退」となっており、ここで鴻海も「撤退」となれば、債務超過の可能性をシャープ自らが宣言した事実だけが残り、これを市場が見逃すはずがないからです。

金融機関も債務超過の可能性のある(シャープ自身が事実上宣言しています)会社に無担保で貸すようなことは出来ず、このままいけばシャープは裁判所の管轄に入って新しい経営者(再建人)の下で再生策を探すべきという意見が強くなって来るはずです。

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