はやぶさ2は、ちょうど1年前の昨年12月3日に打ち上げられた。2010年に地球に試料を持ち帰った初代のはやぶさに続き、小惑星の探査と試料採取を通じて生命の起源に迫るのが目的。これまでは、地球が太陽の周りを回るのと同じような軌道を進んでいた。
「スイングバイ」は、少ない燃料で効率よく目的地に向かう航法。探査機が地球に近づくと、引力と太陽の周りを回る動きに引っ張られて加速し、向きも変わる。リュウグウは火星と地球の間で太陽を回っているため、この軌道に沿うような軌道に移す。速度は秒速30・3キロ(時速約10万9千キロ)から、31・9キロ(同11万5千キロ)になるという。
成功させるには、高速で飛行する探査機が数キロの広さの範囲を通らなければならない。11月26日までにこの軌道調整が完了、最接近を待つだけになっていた。
午後7時8分の最接近では太平洋上の高度3090キロまで近づいた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所(神奈川県相模原市)の運用管制室ではスタッフが状態を監視。最接近前後に途切れた通信が回復し、7時半ごろにはやぶさ2が健全であることが確認されると、拍手で喜び合った。記者会見したミッションマネジャーの吉川真准教授は「毎回非常に緊張するが、今はほっとしている」と顔をほころばせた。 朝日新聞より
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