2016年3月20日日曜日

超円高再来か

今、国際金融専門家の間で一ドル100円突破を指摘する向きが増えてきていますが、本当は先の高値を超える超円高に向かっているのかもしれません。
前回の円高時は一ドル80円を突破していましたが、次回は一ドル60円台を突破するかも知れないからです。

アベノミクス相場(経済)で、一ドル80円から120円台に50%以上も円安に持ち込み、株も急騰させることに成功しましたが、今やアベノミクスが終焉するという専門家が出てきており、このため一ドル100円という説になるのですが、この円相場では、昨日TV番組で頓珍漢な議論がされていました。「円が信頼されているから円高になるのだ」と。

そうしますと、アベノミクスで円が一ドル80円から120円台に暴落したことをどう説明するのでしょうか?

安倍総理が登場し、デフレ経済から脱却させるとして黒田バズーカ等を使い、円安・株高を演じた訳ですが、「円高=円の信認」というのであれば、アベノミクスでの円安=円不信認となるからです。

そして民主党政権時の円高は円信認となり、今のアベノミクス時代は円安=円不信認となり、アベノミクスを否定することにもなるのです。

解説者はTV等で引っ張りだこの解説者ですが、為替相場が経済だけで決まるのであれば、経済を勉強する学者は皆大金持ちとなります。

アベノミクスは円を大盤振る舞いして円の価値を「意図的に」下げて円安に持ち込み、外人に株を買い上げさせ、富を作りその富を国民に分配し、国民にその分配された富を使って貰い消費需要を作り、経済を引き上げるという、デフレ経済を時間で買う政策だったのです。

ところが、円安にはなった、株を引き上げた、というところまでは良かったのですが、その次の「富を国民に分配する」ということが起こらなかったのです。

辞任された甘利元大臣がしきりに賃上げを求める発言をしていましたが、経済界は殆ど動かず、辞任された後に出てきたのは、メガバンクは賃上げせず、トヨタも組合の要求額の半分となり、これで賃上げ?と言える数字しか出てきていません。

即ち、アベノミクスによる「円安・株高」で潤った企業はその富を企業内に蓄え、国民に還元するということを拒否してしまったのです。

結果、消費が次第に落ち始め、昨年10-12月期はマイナス成長、この1-3月期も消費の不振でマイナス成長になるのではないかとも言われており、そうなれば2015年度のGDP成長率はマイナス成長となり、アベノミクスは失敗だったと市場は判断します。

「アベノミクスは円安・株高で時間を買う政策」と指摘しましたが、その時間が「時間切れ」となるのです。そして何が起こるかと言いますと、<円高・株安>です。

特に、先の円高(一ドル80円突破)の時にエネルギーを放出していなかった中に、強引に円安に持ち込みましたので、円高エネルギーは溜まりにたまっている筈なのです。

これは経済云々という問題ではなく、円が時間を貰って「円安」にしてもらったのがもはや時間切れとなりでは今度は?ドルとユーロが時間を貰って「ドル安・ユーロ安」にするとなるのです。

世界で取引される通貨は【ドル・ユーロ・円】がいわば主要3本柱であり、ここの循環物色であり、今までは円が売られ、ドル・ユーロが高かったとなりますが、今後はドル・ユーロ安となり、円が高いということになるのです。

『もうアベノミクスで円安という時間を買う政策は時間切れとなった』と市場が判断した時、猛烈な円高が襲ってきます。その時、日本はどうなるでしょうか?  GLOBAL EYEより

超円高により、輸出企業の業績は悪くなるのは目に見えています。ただ、輸入がその分安くなるので強い円が力を発揮します。日本の企業は日本を抜け出し工場を海外に移すことになり、日本の産業が空洞化することになります。すなわち失業者が増えることになります。

アベノミクスの終焉が近づいてきているのではないでしょうか。1㌦=60円になれば日本の輸出産業は壊滅的なダメージを受けることになります。

大企業はまともな賃上げもせず、内部留保をため込み労働者に富の配分をしていません。大企業が栄えて民滅びる社会になる日も近づいてきている。そんな気がします。

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