2016年3月20日日曜日

難聴者も2種免許取得可能2016年4月1日より実施

警察庁は22日、タクシーやバスなど客を乗せた運転が認められる第2種免許の試験で、聴力検査に補聴器の使用を認める道路交通法施行規則改正案をまとめた。23日から11月21日まで一般から意見を募集する。施行は来年4月1日の予定。

現行の試験は、補聴器を使わずに10メートル離れた場所で90デシベルのクラクションの音が聞こえることが免許取得の条件の一つだが、改正案は補聴器を着けて聞こえれば、条件を満たしたことに変更した。

全日本ろうあ連盟の松本正志理事は「聴覚障害者の職域拡大に向け、大きな一歩」と改正案を評価。「補聴器を着けた状態の運転に問題がないことを国民に広く理解してもらうため啓発活動に取り組むとともに、今後は補聴器の有無にかかわらず免許取得できるようにしたい」と話している。

警察庁は2013年度から聴覚障害者団体などの協力を得て、路肩への駐車や誘導による後進などの実証実験を行い、補聴器を着けた運転でも安全性に問題がないことを確認した。

08年6月の道交法施行規則改正で、後方の死角を減らすワイドミラーを車内に取り付けることなどを条件に、重度の聴覚障害者が普通免許を取得できるようになった。12年4月の施行規則改正では、普通貨物車や二輪車も運転できるようになったが、第2種免許は対象外とされていた。

第2種免許は、車の大きさや種類によって大型や中型、普通など5分類される。

社会の理解が鍵

聴覚障害者がタクシーやバスの運転手になる道が開けることになった。障害の有無にかかわらない共生社会の実現を目指す障害者差別解消法も来年4月に施行。障害者団体は「雇用する企業や乗客など社会全体の理解が鍵となる」と訴える。

全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(東京都新宿区)の小川光彦情報文化部長は「近年は補聴器の性能も向上しており、今回の条件緩和はこうした社会状況にも適したもの。職業選択の拡大につながる」と歓迎する。

人手不足に悩む運輸業界は朗報となるか、注視している。日本バス協会(千代田区)の担当者は「運転手が増えることにつながればよいが、施行してみないと影響は分からない」と指摘。「乗客の転倒など車内のトラブルに瞬時に気付き、対応できるかどうかがポイントだ」と話した。

全国の法人タクシー約6000社が加盟する全国ハイヤー・タクシー連合会(千代田区)。小菅孝嗣常務理事は「運転に支障がないのは実証済み。あとは面接などで各事業者が採否を決めるだけ」と話す。行き先の聞き間違いなども予想されるが「ホワイトボードや地図などで補えば、トラブルは回避できるのではないか」との考えを示した。  毎日新聞より

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