木材などに含まれるセルロースナノファイバーが、今後、鉄やプラスチックなどに代わる新たな素材として使われるのではないかと期待されます。森林総合研究所では、微生物が作る酵素と機械的粉砕で木材からセルロースナノファイバーを取り出す技術を開発。実証施設を作り、研究を進めます。
セルロースナノファイバーは、植物が光合成で作り出したブドウ糖(グルコース)が直鎖状にいくつも連なった高分子が数本から数十本集まった繊維(セルロースミクロフィブリル)が基になっています。ほぐし方によって幅が数ナノ(ナノは10億分の1を表す単位)~数十ナノ㍍、長さが数百ナノ~数マイクロ(マイクロは100万分の1を表す単位)㍍と非常に小さいのが得られます。
セルロースナノファイバーが集まったセルロースは骨格をもつ植物を支える細胞壁の支持体を構成しており、軽くて強いのが特長で、鉄の1/5しか重さがなく、鉄の5倍の強さがあると言われています。
将来、自動車の車体や部品からテレビやパソコンのディスプレイまで幅広い用途があると考えられます。づでに、ディスプレイなどに応用出来る透明なフィルムやシートなどの試作が行われ、大人用紙オムツやボールペンインクは販売が始まっています。
問題は、木材からどのようにセルロースナノファイバーを取り出すかです。植物の細胞壁は、主にセルローストとへミセルロース、グリニン、という3つの成分から出来ています。植物の細胞壁を鉄筋コンクリートにたとえると、鉄筋に当たるのがセルロースで、コンクリート当たるのがリグニンです。
セルロースナノファイバーを取り出すには、まずリグニンを除去する必要があります。これは、製紙工場などの紙の原料となるパルプを作るのに使われています。細かく砕いた木材(チップ)を強いアルカリ性の水酸化ナトリウムで処理する方法を利用することが出来ます。
パルプの段階では、セルロースナノファイバーが複雑に絡みあって固まっています。それをほぐす必要があります。高圧の水を噴射したり、回転する砥石で摩砕したりして取り出す機械的方法と、強い酸で分解したり、有機化合物を触媒に使ったりする科学的方法があります。しかし、いずれも大がかりな設備や、廃液の処理が必要でした。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年3月27日日曜日
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