過去5年間の緊縮政策により国民生活が急激に悪化したポルトガルで、政権不在が続いています。議会多数派となった左派系の4党が「反緊縮」の新政権樹立を目指す中、首相任命権を持つ「緊縮派」のカバコシルバ大統領が。左派首相の任命を行わないためです。野党や労働組合は、国民の意思や議会多数派を無視するのか、と圧力を強めています。
10月4日の同国の総選挙では、緊縮派の保守党・社会民主党が第1党を維持したものの、過半数割れに。他方で反緊縮で一致する社会党、左翼ブロック、ポルトガル共産党、緑の党が合計で過半数を得ました。
社会民主党出身のカバコシルバ大統領は選挙後、同党のコエリョ首相に組閣を要請。それを受けて発足した第2次コエリョ政権は今月10日、野党多数の国会で不信任となり、総辞職に追い込まれました。
憲法は、大統領が任期の最初と最後の半年間は議会を解散出来ないと定めており、来年1月に任期ぎれとなるカバコシルバ氏にとって、緊縮派の復権を狙って再選挙する事は不可能。来年前半までの間は同国での総選挙はなく、社会党のコスタ党首を首相に任命するか、コエリョ氏を暫定首相とするかの選択が迫られています。
コスタ氏は、コエリョ氏を再任するのは最悪の選択だと批判し、自身の首相就任を要求。社会党政権への閣外協力に踏み切ったポルトガル共産党のソーザ書記長は19日、左派4党は明確な多数派を握っている。コスタ氏を首相指名をためらう大統領の態度を正当化する口実は存在しないと主張。4党が合意した年金額の凍結解除や最低賃金の増額による国民生活の回復に向け、左派新政権の早期の樹立を求めています。
労働組合も圧力を強めています。同国最大労組ポルトガル労働総同盟(CGTP)のカルロス書記長は19日、ロイター通信に対し、大統領は国民の意思や議会多数派の上に自らを置くことは出来ないと主張。大統領の怠慢は社会的怒りを招くと警告しました。また、緊縮とのたたかいを約束したのに行動しない政府を国民は許さないと社会党にも釘を刺しました。
同労組は、今月28日に大統領官邸前で大規模なデモを予定しています。
カバコシルバ氏は、各党党首や財界との会談を重ねていますが、左派政権の樹立はポルトガルの信用や経済に取って悪影響との考えに固執しており、同氏の姿勢次第では、次期大統領選まで現在の膠着状態が続く可能性もあります。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2015年11月23日月曜日
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