中国の外貨準備高は帳面上、世界最大で3兆6500億ドル(約443兆1465億円)=2015年6月末現在=だが、それなら、なぜ、米国債を徐々に取り崩しているのだろう? 直近の7月から9月だけでも、2290億ドル(約27兆8028億円)を売却しているのだ(米財務省速報)。
従って、中国の外貨準備にはカラクリ、それも史上例をみない“詐欺的作為”がなされているとみるエコノミストが増えている。ドル資産が、一夜にしてブラックホールに吸い込まれるように消える恐れが強まった。
CIA(米中央情報局)筋の調査で、中国から不正に流れ出した外貨は3兆800億ドル(約373兆9428億円)とされる。となると、15年6月末の外貨準備高は、差し引き5700億ドル(約69兆2037億円)でしかない。
単純計算はともかく、複雑な要素が絡む。
第1に、最も重要な外貨準備指標は「経常収支」である。この数字をみると15年3月まで1年間の統計は2148億ドル(約26兆788億円)。ところが、外貨準備は同期間に2632億ドル(約31兆9551億円)減少している。膨大な外貨が流失しているから、数字の齟齬(そご)が起こるのだ。
そこで嘘の上塗り、つまり架空の数字をつくりかえ、粉飾のうえに粉飾をおこなう。となると「GDP(国内総生産)が世界第2位」というのも真っ赤な嘘になる。GDPのなかで、「投資」が締める割合が48%、こういうことはどう考えてもあり得ない。
例えば、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」は財源が400億ドル(約4兆8564億円)である。ベネズエラに投資した額は450億ドル(約5兆4648億円)前後、アンゴラへの海底油田への投資は焦げ付いたという情報があり、リビアでは100ものプロジェクトが灰燼(かいじん)に帰した。
以下、スリランカ、ジンバブエ、スーダン、ブラジルなど。世界中で中国が展開した世紀のプロジェクトが挫折している。つまり、対外純資産が不良債権化している。オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどでは鉄鉱石鉱区を買収し、開発していたが、鉄鋼不況に遭遇して工事を中断。このあおりで、豪ドル、カナダドル、NZドルが下落した。
13年末の海外直接投資残高は6605億ドル(約80兆2111億円)だったが、15年3月には9858億ドル(約119兆7155億円)と急激な増加が見られる。15年3月末の対外債務残高は、直接投資が2兆7515億ドル(約334兆1421億円)、証券が9676億ドル(約117兆5053億円)。合計3兆7191億ドル(約451兆6475億円)となる。
つまり外貨準備は事実上、マイナスである。だから、海外投資家は一斉に中国から引き揚げを始めたのだ。
■宮崎正弘(みやざき・まさひろ)より
この国は信用出来るのだろうか、GDPも本当に世界第2位なのだろうか、GDPも粉飾している可能性もある。経済成長率も中国の発表では6%台と発表しているが、鉄道、電力、等々の統計では大きく落ち込んでいる。実質マイナスか2%程度しかないかと言われている。
嘘を嘘で塗り固める中国をどこまで信用すれば良いのか、それとも信用するに値しない国なのではないかと思う。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2015年11月8日日曜日
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