2015年11月13日金曜日

韓国企業の大量破綻の危機

韓国の大企業が危ない。景気低迷を背景に、今年1~10月の間に45社の信用格付けが引き下げられた。これは韓国が通貨危機に見舞われた1998年以来の高水準で、最大財閥のサムスングループも例外ではない。営業利益で利子も払えない「ゾンビ企業」も3000社を突破しており、年内にも想定される米国の利上げをきっかけに破綻ラッシュが始まる懸念もある。

韓国の大手格付け会社、韓国信用評価によると、今年1~10月に格下げされたのは不渡り1社を含めて45社。リーマン・ショックの影響があった2008~09年もそれぞれ30社台にとどまっており、アジア通貨危機をきっかけに韓国が国際通貨基金(IMF)の支援を受けることになった1998年(61社)に匹敵する危機的状況といえる。

他の格付け大手でも、ナイス信用評価が10月までに56社、韓国企業評価が9月までに42社を格下げした。

米格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はすでに、韓国の主要38社の格付けの平均値を「ジャンク(紙クズ)」と呼ばれる投資不適格級一歩手前の「トリプルBマイナス」まで引き下げたと報じられている。一般に欧米系に比べて甘いとされる国内系の格付け会社だが、韓国企業に対する見方は厳しくなっている。

韓国プラント最大手のサムスンエンジニアリングは10月23日、「シングルA」から「トリプルBプラス」に格下げされた。同社はサウジアラビアなど中東のプラント工事で巨額な損失が発生し、7~9月期に1兆5127億ウォン(約1603億円)の営業赤字を計上。韓国信用評価は「2013年から新規受注が大幅に縮小しており、短期間に営業実績を改善することは容易ではない。また、自己資本を上回る純損失を計上したことで財務構造が大きく弱体化した」と格下げの理由を説明している。

サムスングループでは、造船業のサムスン重工業や、サムスン精密化学も今年に入って格下げされた。他の大手財閥でもポスコグループのポスコプランテックやポスコ建設、斗山グループの斗山重工業や斗山建設、さらに大韓航空やアシアナ航空も格下げ対象となった。

格下げされた企業は、新たに社債を発行して資金調達する際には、高金利を余儀なくされる。

さらに、米国が12月にも利上げに転じると、韓国など新興国に流入していた投資マネーが米国に還流し、通貨が暴落に見舞われる恐れがある。

IMFの世界金融安定報告は、「新興国通貨の下落で外貨建ての借金が相対的にふくらみ、返済がますます難しくなる」と警鐘を鳴らしている。

加えて、中国経済の失速や、円安による日本の輸出企業の競争力強化など、韓国企業にとっての悪条件も山積している。聯合ニュースは、「来年上半期までの企業の格下げ傾向の反転は難しい」という韓国信用評価幹部の見解を紹介している。

一方、本業の儲けである営業利益で支払い利息をカバーできず、借金で延命している「ゾンビ企業」の存在も韓国経済に影を落としている。

韓国銀行(中央銀行)の「2014年企業経営分析」を見ると、ゾンビ企業は、リーマン・ショック直後の09年に2698社だったが、14年末時点で3295社まで急増した。米国の利上げをきっかけに、韓国国内の金利が上昇すれば、ひとたまりもない。

『韓国経済阿鼻叫喚-2016年の衝撃-』(アイバス出版)の著者で週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏はこう指摘した。

「韓国経済の屋台骨を支える重化学工業の業績が軒並み悪化している。さらに造船や建設、電機、鉄鋼に加え、自動車や小売業でもゾンビ企業の比率が上昇している。ここまでひどい経済状態にもかかわらず、朴槿恵大統領は経済への関心が薄いのか、ひたすら『反日』を唱えてきた。しかし、こうした政治的な扇動はもはや通用しない」 夕刊フジより

韓国の企業の格付けが軒並み引き下げられている。米国が利上げをすると投資マネーが韓国から逃げ出し、通貨が暴落するという。韓国の大統領は反日ばかりをいっているが、足元の韓国経済には関心がないみたいである。

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