2015年11月27日金曜日

中小企業も潤うロケット打ち上げ

初の商業衛星打ち上げに成功したH2Aロケットが大きな注目を集めたのは、TBS系のドラマ「下町ロケット」効果だけではない。世界で2700億円規模まで成長中の衛星打ち上げビジネス市場に日本が参戦することで、国内の中小企業も潤う可能性があるのだ。

三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げたH2Aロケット29号機はカナダの衛星運用会社テレサット社の衛星を分離。予定の軌道に投入することに成功した。

そもそも衛星打ち上げビジネスはどれぐらい儲かるものなのか。

世界では欧州(アリアンスペース社)のアリアン5、米国(スペースX社)のファルコン9などのロットがすでに商業衛星を打ち上げている。

日本航空宇宙工業会技術部の佐古理(ただし)氏は「米衛星工業会によれば昨年、全世界で行われた商業衛星の打ち上げは23回。打ち上げと、それに伴う地上設備の売上高は22億6000万ドル(約2750億円)だった」と説明。単純平均すると1回の打ち上げで約9800万ドル(約120億円)の売り上げになる計算だ。

一方、1回の打ち上げにかかる費用はファルコン9が約70億円、アリアン5は約90億~100億円。H2Aは現状では、100億円程度かかるという。そこで、日本は次期型の「H3ロケット」を約50~60億円と現行の半額程度にしたいとしている。

前出の佐古氏は「すでにH2Aで(国産ロケットの)性能は認められており、H3で価格が抑えられれば世界から受注が相次ぐはずだ。ロケットは部品点数が多く、2次請けまで含めれば1000社以上が関わるとされる。部品作りで実績を残してきた国内の中小メーカーにとっては追い風になるに違いない」と語る。

町工場の部品を積んだ「下町ロケット」の活躍が楽しみだ。 夕刊フジより

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