韓国の若者たちの間で広がる「スプーン階級論」をご存じだろうか? 「裕福な家庭に生まれる(Born with a silver spoon in one’s mouth)」という英語の慣用句を受けて、「金の匙」「銅の匙」「土の匙」など、貧富の差によって人を区別し分類するのが、スプーン階級論である。
「金の匙」は、親の資産が20億ウォン(約2億円)以上、または年収2億ウォン(約2,000万円)以上の、いわゆる超富裕層。資産10億ウォン(約1億円)以上、または年収8,000万ウォン(800万円)以上なら「銀の匙」という。常識を超えた財産を持つ財閥一族などは「ダイヤモンドの匙」といい、2012年の調査資料によると、ダイヤモンド・金・銀の匙の階級層の中でもそれぞれ上位10%の人たちが、なんと国民全体の資産の45%を支配しているという。
ちなみに「銅の匙」の人は、資産5億ウォン(約5,000万円)以上、または年収5,500万ウォン(約550万円)以上。これなら、まだ十分勝ち組といえるだろう。
しかし、問題はそこから下の階級だ。平均的な庶民は「鉄の匙」「木の匙」「プラスチックの匙」と細かく分けられていて、さらにその下には、公務員でもなく、大企業勤務でもない人たちが多数を占める「土の匙」が存在する。土でできているため、形を保つのがやっとで、一生食うに困るという絶望的な意味が込められている「土の匙」は、「Hell朝鮮(地獄のような韓国)」とともに、今年の流行語にもなっている。
この「土の匙」よりもさらに下には、生活保護を受けて暮らしていたり、ホームレスである「糞の匙」と、スプーンすら持てないほど貧乏な「手の匙」がある。
厳しい現実に絶望する若い世代が作り上げたこのスプーン階級論は、まるでインドのカースト制度のように残酷だが、若者たちはスプーンに例えて身の上を哀れんでいるだけではない。というのも、「スプーン階級論」によると、社会的地位の獲得や成功の可否は、本人の努力ではなく、親の経済力次第で決まるというのだ。
つまり彼らは「就職や結婚ができないのは、お前らの努力が足りないから」と責め立てる大人に対して、「努力してみたけど、あなたが与えてくれたスプーンのせいでダメでした」と、スプーン階級論を用いて皮肉を言っているのだ。
実際、スプーン階級論があながち間違いでもないことを証明する研究データも出ている。データによれば、韓国人の資産のうち、相続比率は00年代に入って42%まで増えており、これからもますます増えていく見込みだという。
スプーン階級論が広まるにつれ、ネットには「我が家は何匙ですか?」と質問する若者が増えている。資産、家の大きさ、親の職業と年収、携帯の機種まで公開し、自分が何匙なのかを人に査定してもらうのだ。子どもたちの間でも「お前って何匙?」と聞くのがはやっているという。
このままだと、格差社会が深まるのは時間の問題。ただの社会風刺のブラックユーモアにしても、社会的影響力がありすぎるように思えてならない。Yahooニュースより
韓国社会は親の収入により、生き方が決まる様である。本人がいくら努力しても上に上がることは出来ない社会であり、まるでインドのカースト制度みたいである。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2015年11月22日日曜日
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