2015年11月29日日曜日

性同一性障害の人達の弊害

心と体の性が一致しない性同一性障害や性別違和を持つ人達に、マイナンバー制度が深刻な影響をもたらしていることが調査で明らかになりました。調査は、一般社団法人gid・jp日本性同一性障害と共に生きる人々の会が9月4日~25日の22日、インターネット上で実施309人から回答を得ました。

戸籍変更出来ず

性同一性障害や性別違和感を持つ人達の多くは、服装や見た目を心の性に合わせて社会生活を送っています。しかし、全ての当事者が戸籍の性別を変更出来るわけではありません。
たとえば、戸籍上男性の人が、心の性に合わせて女性として生活し、周囲からも女性として認知されている場合、社会生活上性別と戸籍の性別が一致しないことになります。

このような人達は就労の際、戸籍の性別が記入された公的書類を提出する必要のない職場を選ぶか、職場の一部の人のみに戸籍の性別を明らかにして働くケースが殆どです。

10月から配布が始まったマイナンバーの通知と、今後、希望者が受け取る個人番号カードには本人の戸籍の性別が記載されています。その為、性同一性障害や性別違和感を持つ人達がマイナンバーを職場に提示する際、本人の意に反して戸籍の性別が明らかにされることになります。

調査では、戸籍の性別と社会生活上の性別が一致しない当事者の約80%が、雇用主にマイナンバーカードを提示することで、問題が起こる、または、何か起きるか分からないので見せたくないと答えています。

中には、戸籍上性別が分かってしまうと精神的苦痛に耐えられないので、既に退職したという人や、偏見や差別で退職に追い込まれる、戸籍の性別の判明と同時に首になったきた。今後、失業したらもうどこにも雇ってくれない等の深刻な声が多数寄せられています。

これまで戸籍の性別を明らかにする必要のない非正規で働いてきた人達もアルバイトですら不可能になる、この先どうやって生きていけば良いのか。このままではきっと餓死してしまうと訴えています。

性別欄の削除を

調査結果を受けて日本性同一性障害と共に生きる人々の会は10月18日、マイナンバーカードの記載から性別欄の削除を求める要望書を政府に提出。就業先に届けている性別とマイナンバーカードに記載されている性別の不一致を理由とした解雇を認めない様事業者に周知徹底する事や、再就職が困難な当事者への生活支援策などを求めました。

調査を担当した同副会長は、戸籍の性別を周囲に明らかにすることで、これまでも、いじめやハラスメントを受ける等、当事者はいろいろな不利益を被ってきました。マイナンバーによって自分の存在を否定され、生きる事に不安を持っているいる事を知って欲しいと訴えています。

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