中国が受注したインドネシア・ジャワ島高速鉄道計画が、起工式から1年がたっても建設のめどが全く立っていない。日本と激しい受注合戦を繰り広げた中国が資金を出し渋っているためで、インドネシアでは嫌中感情も湧き上がる。当初予定していた2019年の開業は極めて困難な状況だ。
高速鉄道は首都ジャカルタと西ジャワ州バンドン間(142キロ)を45分で結ぶ計画。日本は円借款による新幹線方式を推したが、中国は政府資金が要らないことを強調して15年秋に受注を決め、昨年1月21日には西ジャワ州ワリニでジョコ大統領も出席して大々的に起工式が行われた。
広がる嫌中感情
ところが、中国は受注決定後、事業への政府保証がなければ資金を出さないとインドネシア側に伝達。鉄道事業会社幹部は「当初から政府保証が要らないことで合意していたはずだ」と困惑を隠さない。
さらに中国は、土地収用が完全に終わらなければ資金提供しないという条件も突き付けている。インドネシアでは、土地収用が難航するのが普通で、日本企業関係者は「完全な土地収用を資金提供の条件にするのは、『事業をしない』と言っているに等しい」と指摘する。
このため、今も建設予定地では土地を更地にする作業が行われているだけで、本格的な工事は全く始まっていない。インドネシアでは昨秋以降、「大量の中国人労働者が違法に流入している」といううわさがソーシャルメディアで盛んに流され、市民の嫌中感情も噴出している
日本に熱い視線
19年の大統領選で、高速鉄道を再選のための「目玉」にしたかったジョコ政権は、事業に誤算が生じたことから今度は日本に熱い視線を注ぐ。ジョコ氏側近は昨年12月に訪日し、同じジャワ島のジャカルタと第2の都市スラバヤを結ぶ既存鉄道の高速化への協力を要請。日本政府も「基本的に前向き」(石井啓一国土交通相)な姿勢で、共同の事業化調査実施に向けた検討を急ぐ。
ただ、インドネシア政府内では、早くも一部閣僚から「日本に受注が決まったわけではない」と声が上がるなど、意見にばらつきもみられる。高速鉄道でも、日本が事業化調査で先行していながら中国に敗れた経緯もあり、日本政府はインドネシア側の真意を慎重に見極める方針だ。
JiJi.comより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年1月23日月曜日
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