トランプ次期大統領の米国ならば北朝鮮との劇的な接近があり得る、と元外交官で前衆議院議員の村上政俊氏は読む。鍵は「事大主義」と「中国」だ。
筆者が夏頃から当選を予測していたトランプは、選挙期間中に金正恩と直接会談する用意があると表明した(*1)。それに対し、北朝鮮側も対外宣伝ウェブサイト「朝鮮の今日」を通じてトランプを「長期的な視点を持っている」と肯定的に評した。これは、トランプ政権が発足すれば北朝鮮が熱望する米朝直接対話が実現するのではという期待の表れだった。
【*1 2016年5月、ロイターとのインタビューで、北朝鮮の核開発を止めるため、金正恩と「話をしたい」と述べた】
今後、世界が驚くような米朝の劇的な接近が実現する可能性がある。「米朝同盟」の成立だ。それには次の二つのシナリオが考えられる。
まずは“中国大崩壊”だ。朝鮮戦争当時、「抗美援朝」(米国に抗い朝鮮を援助する)というプロパガンダ・スローガンの下、鴨緑江を越えて朝鮮半島に侵入した人民解放軍は毛沢東の長男・毛岸英の戦死など多大な犠牲を払った。
「血の友誼」と称される中朝同盟の基本は現在に至るまで不変で、日本を始め国際社会が経済制裁をいくら強化しても現在の北朝鮮の独裁体制が崩壊しないのは、中国が原油や食糧といった戦略物資を供給し続けて裏から支えているからだ。
ところがその中国自身が今や崩壊寸前だ。
中国に宥和的だったオバマの退場で国際的な更なる孤立が必至な上に、不動産バブルが弾ければ経済も行き詰まる他ない。中国がもう北朝鮮を支えられないとなれば北朝鮮はすぐさま次の後ろ盾を求めて蠢き出すだろう。
朝鮮半島には事大主義(*2)のDNAが埋め込まれている。日清戦争に至るまでの李氏朝鮮は、内部で日本寄りの開化派と清国寄りの事大党が激しく争い、清国が敗北した後はロシアに事大の先を鞍替えした。その姿は、中国から北朝鮮への圧力を期待して習近平に擦り寄ったものの、中国には北朝鮮を見放すつもりがないと知るや米韓同盟重視に戻った韓国の外交姿勢に引き写されている。
【*2 強い者に追随して自己保身を図る態度や傾向のこと。特に朝鮮半島史では、朝鮮王朝の対中国従属政策をいう】
大崩壊まで至らずとも、中国が北朝鮮を支えられなくなれば、北朝鮮が新たな事大の相手先として米国に急接近する可能性は高い。 infoseek newsより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年1月20日金曜日
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