2017年1月27日金曜日

中国が狙う世界リーダーの座、トランプ政権の米国回帰で

貿易から気候変動に至るまで、中国は世界の指導的な役割を担いたいとの静かな願望を抱いている。メディアとの確執や抗議活動が目を引く就任直後のトランプ米大統領に対して、卓越した習近平国家主席の指導力を際立たせようとしているのだ。

トランプ氏が米大統領に就任する数日前、習主席はスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で基調講演を行い、グローバル化や自由貿易の重要性を強調。中国が世界でより大きな役割を担う意思を示した。

南シナ海の領有権問題においてさえ、中国は米国の挑発的発言に乗らなかった。ホワイトハウスのスパイサー報道官は今週、中国による南シナ海での人工島建設について、トランプ新政権は国際水域を自国の領土とする行為は阻止する考えを表明した。

この発言に対し中国は、同海域における航行の自由を守ることに尽力しており、当事国間で話し合い、平和的解決を望むとの考えを示し、抑制的な態度で米国に言動を慎むよう求めた。

「あなた方は『米国第一』だが、われわれは『人類運命共同体』だ」と、中国人民解放軍の元幹部で強硬派の論客として知られる羅援氏は今週、自身のブログで主張。

「あなた方は『閉ざされた国』だが、われわれは『一帯一路』だ」と記して、同氏は中国が進める新経済圏構想に言及した。

米国が世界で担ってきた従来のリーダーシップを引き継く意思はないと中国は繰り返し強調してきたが、中国外務省幹部は今週、そうならざるを得ない可能性を認めている。

「もし中国が世界の指導国としての役割を演じていると誰かに言われるとすれば、それは中国が前面に出ようとしているのではなく、前面にいた国々が後退して、その立場を中国に明け渡しているからだ」と、同省国際経済局の張軍局長は語る。  ロイター通信より

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