南シナ海深刻な懸念

声明は中国を名指しすることは避けたが､信頼と信用を損ない、緊張と高め、域内の平和と安定をし損ないかねない埋め立てや活動の激化について､複数の首脳が示す懸念に留意すると明記しました。

声明は､南シナ海で中国の主権主張を否定した常設仲裁裁判所の判決について触れていませんが、仲裁裁判所の根拠となっている国連海洋法条約（UNCLOS）を含む国際法による平和紛争解決を要求しました。

また、中国とASEANが南シナ海での主権争いの平和的解決などに合意した2002年の南シナ海行動宣言（DOC）について、全面的、実効的な履行を強調。さらに南シナ海行動規範（COC）締結に向けて､来年前半に枠組みを終えるとの中国の提案を念頭に､中国との協議の新たな段階に留意するとし、全当事国に早期締結への努力を促しました。

声明は､無条件の戦争放棄を明記した東南アジア友好協力条約(TAC）に､チリ、エジプト、モロッコが新たに正式加盟した事を歓迎し､加盟手続き中のイランへの期待も述べています。

北朝鮮による核実験、ミサイル発射については、国連安保理決議違反だとし､朝鮮半島の非核化をASEANが支持すると強調。北朝鮮に対して国連安保理決議の順守を求め､関係国の6ヶ国協議を早期開催を呼びかけました。