鉄鋼の過剰供給に懸念

経済協力開発機構（OECD）は8日、鉄鋼委員会を開き、世界的な過剰供給が鉄鋼価格の低迷を招いている現状に強い懸念を表明しています。名指しを避けながら､過剰生産を続ける中国への批判をにじませています。鉄鋼委は9日に中国の担当者らを交えた拡大会合を開き、対応を協議しました。

鉄鋼委は声明で明らかな過剰供給が引き起こす問題に緊急に対応する必要性を強調。近年の世界的な生産拡大について、中国を念頭に大半が非OECD加盟国によってもたらせていると指摘しました。その上で､雇用に配慮しながら供給能力の削減に努めるべきだと提言しています。

中国は国内景気の減速を受け､余った鉄鋼を国外に輸出。4、5両日に中国・杭州で開かれたG20首脳会議でも問題視され､中国政府は減産の取り組みを表明しました。しかし、大量の失業者がでる恐れがあり、対策は容易でないとの見方が強くあります。