2016年9月4日日曜日

中国の背後で爪を研ぐ世界第4位の軍事大国インド

中国の背後で爪を研ぐ世界第4位の軍事大国インド

インドが米国と軍事的に密接な関係を持ち、中国と息詰まる軍備競争を繰り広げている。昨年、中国全域を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射を行ったのに続き、最近は超音速巡航ミサイルを両国の国境地帯に大挙配備すると決めた。南シナ海および東シナ海の領有権をめぐる問題、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題で米国・日本・韓国と対立している中国は、自国の背後で展開するインドの軍備強化に戸惑いの表情を浮かべている。

米国のアシュトン・カーター国防長官とインドのマノハール・パリカール国防相は今月29日(現地時間)、米国ワシントンにおいて、両国が互いに自国の軍事基地を開放するという内容を含む軍需補給協定を結んだ。これにより米海軍は、インドの海軍基地で軍需品の補給および修繕を受け、休養を取ることができるようになり、インドも海外の米軍基地を利用できるようになった。日本の外交専門誌『ザ・ディプロマット』は「南シナ海における米海軍の作戦能力が一層強化され、この地域で領有権をめぐる対立を起こしてきた中国にとって脅威になるだろう」と評した。

中国は、すぐさま懸念の表明に乗り出した。党機関紙『人民日報』の姉妹紙『環球時報』は「インドが米国の懐に抱かれるというのは愚かな選択だ。インドのプライドを傷つけるだけでなく、米中間でバランスを維持する戦略に比べて、あまりにも利点がない」とデリケートな反応を示した。

今回の協定を含め、最近インドは中国にとって脅威となる行動を取り続けている。香港の『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』紙が「1962年の国境紛争以来、中国と物理的衝突がなかったインドが、最近中国と『銃声なき軍備増強競争』を繰り広げている」と伝えるほどだ。 

今月初め、モディ首相が主催するインドの内閣安全保障委員会(CCS)は、中国と国境を接しているインド北東部のアルナチャル・プラデシュ州に超音速巡航ミサイル「ブラモス」100基を配備すると決めた。ロシアと共同開発したこのミサイルは射程290キロ、巡航速度はマッハ2.8で、現存する巡航ミサイルの中では最もスピードが速く、破壊力が大きいという。中国人民解放軍の機関紙『解放軍報』は「インドが国境に超音速ミサイルを配備するのは、自衛のレベルを超えており、中国の雲南とチベットに深刻な脅威を与えるもの」だとして「中国の対応措置を誘発しかねない」と警告した。しかしインド政界は、与野党を超えて「中国がああしろこうしろという問題ではない」と一蹴した。
さらにインドは今年7月、北西部のカシミール地方で戦車連隊を二つ編成し、T72戦車およそ100両を配備した。同じく7月、米海軍の哨戒機4機(10億ドル=現在のレートで約1029億円、以下同じ)と超軽量曲射砲145門(7億5000万ドル=約772億円)を購入する契約も結んだ。この曲射砲は、中国との国境に相当する、総延長4057キロの「実効支配線」(LAC)に集中配備される予定だ。またインドは、ICBMを保有する中国に対抗して射程5000キロの「アグニ5」ミサイルの試射に昨年成功するなど、中国との戦略兵器競争も加速している。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は「インドが開発しているICBMは、中国をターゲットにしたものとみられる」と伝えた。

中国の国家戦略「一帯一路」(新シルクロード)において、インドは中心的な要衝だ。米国・ロシア・中国に続く世界第4位の軍事大国インドの膨張は、中国からすると、西進を阻む巨大な障害になる。米国の安全保障専門誌『ザ・ナショナル・インタレスト』は「中国が一帯一路の一環として、インドの宿敵パキスタンと密接な関係を持ったことを受け、インドは軍備強化に乗り出している。中国が、両国間の国境が画定していないことに乗じてしばしば国境地域に出没し、インドと接しているチベットで兵力を増強していることもインドを刺激した」と伝えた。 朝鮮日報より

0 件のコメント:

コメントを投稿

日産ケリー前代表取締役の保釈決定 保釈金7000万円 東京地裁

金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車のグレッグ・ケリー前代表取締役について、東京地方裁判所は保釈を認める決定をしました。検察はこれを不服として準抗告するとみられますが、裁判所が退ければ、ケリー前代表取締役は早ければ25日にもおよそ1か月ぶりに保釈される見通しです。一方、...