インドネシアの「女・田中角栄」こと、スシ・プジアストゥティ海洋・水産相(51)が、違法操業を繰り返す中国などの外国漁船を警戒するため、日本との合同パトロール案を打ち出した。「知日家」として知られるスシ氏はこれまで、違法漁船を「見せしめ」として爆破してきた。南シナ海の平和と秩序を守るため、両国の連携が強化されるのか。
日本との合同パトロール案は、スシ氏が22日の記者会見で披露した。違法操業が多い南シナ海南端のインドネシア領ナトゥナ諸島付近を念頭にしているとみられる。共同通信が配信した。
オランダ・ハーグの仲裁裁判所は7月、南シナ海における中国の「九段線」などの主張や行動を「国連海洋法条約違反だ」「法的根拠はない」と裁定したが、中国は「紙切れに過ぎない」と無視している。
スシ氏は、米国との合同パトロールについても協議しており、南シナ海問題で中国と対抗する日米両国に接近することで、違法操業を続ける中国をけん制する狙いがある。
高校中退後、魚の行商から身を立て、水産ビジネスで大成功を収めたスシ氏は姐御肌で、ジョコ大統領率いる現政権内では「最も人気のある閣僚」。右足にフェニックス(不死鳥)の入れ墨がある。水産ビジネス時代から、日本企業と関係を築いてきたという。
スシ氏は会見で「ナトゥナ諸島沖では以前ほどではないが、まだ多くの外国漁船が違法操業している」と指摘。中国漁船2隻を最近、拿捕(だほ)したことも明らかにした。
米国との合同パトロールの時期は未定だが、米空母が警戒活動のため、インドネシアに近い海域を通過する機会に合わせて実施したいとしている。日本とは詳細を今後協議するという。
インドネシア政府はナトゥナ諸島にレーダーを備えた監視施設を開設し、違法操業する漁船の警戒を継続。拿捕した外国漁船を含む約230隻をこれまでに爆破処理した。夕刊フジより
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2016年9月24日土曜日
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