2016年9月4日日曜日

理工・内藤教授、自動車やロケットを含む航空宇宙機の次世代エンジンへ新たな扉

早稲田大学理工学術院の内藤健(ないとう けん)教授(基幹理工学部 機械科学・航空学科)らは、サイズによらず、「単体で60%を超える熱効率」ポテンシャルを持つ画期的なエネルギー変換原理(新圧縮燃焼原理)の「究極エンジン」を理論・シミュレーションで提案してきました(2013年7月プレスリリース済)。このたび、この原理を用いた3つの試作エンジンの基礎実験で「燃焼室内圧力と排気温度の上昇」、つまり、燃焼が確認され、原理的に、従来エンジンの燃焼騒音レベルで、従来以上の高効率の見通しを示すデータが複数確認されました。また、100年間の人類の夢であった「ほぼ完全な壁面での断熱化」の可能性を示唆するデータ(燃焼室壁温が大気レベルのまま)も出始めています。断熱化により、今まで燃焼室側壁から外部に放熱していたエネルギーを動力に利用できれば、サイズによらず、エンジン単体60%超えという夢の熱効率に近づくことは言うまでもありませんが、これは、水冷装置の不要化による重量低減・余剰スペース拡大という重要な恩恵ももたらします。

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なお、広い速度範囲での新たな熱効率向上案も見出したため、実現すれば、自動車だけでなく、ロケットを含む軽量高性能航空宇宙機の新たな扉を切り開くことが期待されます。自動車・バイク用では従来の2倍レベルの熱効率・実質燃費をもたらすとともに、バッテリーに比べて低価格なこの新エンジンを搭載した自動車での自家発電も期待されます。航空宇宙用の機体では、総重量の50%~90%が燃料と言われていますので、その軽量化にも貢献します。 WASEDA Universityより

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