2016年9月22日木曜日

米FRB、年内利上げへ「新たな証拠待つ」

「大半の(会合)参加者は年内1回の利上げが適切だとみている」。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に開いた21日の記者会見でこう語り、年内の追加利上げに意欲を示した。今回の見送りは、雇用最大化と2%の物価目標という使命の達成に向けて「さらなる証拠を待つことを選択した」ためと明かした。

会見するFRBのイエレン議長(21日、ワシントン)=AP
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会見するFRBのイエレン議長(21日、ワシントン)=AP

今後、市場を納得させるだけの指標の改善が続くかどうか。FRBは年内利上げに向けた正念場を迎える。

FOMC後の声明文では、イエレン議長も8月下旬のジャクソンホール会議での講演で使った「利上げの条件は整ってきた」との表現を用いて、近い将来の引き締めを示唆した。さらには、引き締めを視野に入れた際の定型表現として知られる「近い将来の経済見通しに関するリスクはおおむね均衡している」との文言も盛り込んだ。

イエレン議長は会見でもこれらの表現を強調し、利上げ機運の醸成を試みた。もっとも、重きを置いたのは、むしろ3人の利上げ派からの反対票を出しながら現状維持とした理由の説明だった。

会見冒頭では、わざわざ「ではなぜ、我々は今日の会合で利上げをしなかったのか」と自問して
みせた。まずは「経済への確信が不足していることの反映ではない」と指摘し、雇用の改善継続や行きの物価上昇の加速に自信を示した。

そのうえで、雇用市場を中心に「以前考えていたよりも、経済にはもう少し改善の余地がある」と指摘。人々がより良い仕事を求めるようになったため、雇用の改善が足踏みしていると指摘。「現在の経済が過熱しているとはみていない」とも言及し、利上げ派が唱えてきた「完全雇用なのだから利上げを急ぐ必要がある」という主張を退けた背景を明かした。

この考えは、イエレン議長の「お膝元」であるFRBのブレイナード理事が最近の講演で「雇用に一段の改善余地がある」と主張したこととも符合する。最近は企業の景況感や鉱工業生産、小売りなどの低調な統計が目立っていたこともあり、様子見に傾いたようだ。

同日発表した政策金利見通しで先行きの利上げシナリオを後退させたことに関しては「何が米経済や世界経済のニューノーマル(新常態)なのか、という難題と闘っている」と指摘。生産性の低下などを背景に米経済の実力に見合う「中立金利」が低下していることを踏まえ、先行きの政策金利の道筋を描き切れずにいる苦しさをうかがわせた。

会見では11月に迫った米大統領選を巡る質問も相次いだ。共和党候補のドナルド・トランプ氏が「FRBは完全に政権に支配されている」と批判したことには「党利党略は我々の決定になんら役割を果たさない」と指摘。政治的な不透明感から企業が設備投資を手控えている可能性には「(設備投資が弱い)正確な原因は定かではない」と明言を避けた。 日経新聞より

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