2015年6月26日金曜日

ギリシャ、デフォルト後何が起こるか

ロイター=ギリシャ政府は、6月30日、国際通貨基金(IMF)から借りた16億ユーロの融資を返済する必要がある。債権団から融資が受けられなかった場合デフォルトに陥る。そうなればユーロ圏への離脱が現実になり、国際通貨基金(IMF)への返済が出来なければギリシャはどうなるのか。

①即座にデフォルト認定、資本規制
国際通貨基金(IMF)は返済期限に猶予を与えていないため、期限まで返済出来なければ即座にデフォルトと見なされる。デフォルトになれば、ギリシャのユーロ圏全体の金融市場が動揺し、ギリシャ銀行から預金が流失が加速することになる。資本流失を食い止めるため、ギリシャは資本規制の導入を余儀なくされる。

②欧州中央銀行が緊急流動性支援(ELA)を制限、凍結
欧州中央銀行がデフォルト後どの程度の期間、ギリシャ銀行に対する緊急流動性支援(ELA)を承認続けるかという点で、緊急流動性支援(ELA)の一部はギリシャ国債が担保になっている。ECBは毎週会合を開いており、ELA枠について協議をしている。枠は引き上げられ、現在は841億ユーロになっている。ギリシャ政府がデフォルトになれば、ELAを凍結、もしくは枠を縮小する可能性もある。ギリシャ銀行が差し入れる担保に適用する、ヘアカット(担保価値の削減率)を引き下げるかも知れない。

③ECB保有のギリシャ国債がデフォルト
7、8月はECBが保有する68億ユーロのギリシャ国債の満期を迎える。ECBが保有するギリシャ国債がデフォルトなれば資金供給停止する圧力が強まる。

④EU予算執行差し止め
ユーロ圏の債権国の一部から、EU予算からのギリシャへの支払いを差し止める声が強まり、ギリシャは国際機関からからの人道支援が必要になる。

⑤公務員給与や年金の支給遅延、IOUで支払い
ギリシャがデフォルト後もどのくらいの期間、公務員や年金、業者への支払いを続けられるか不明で。ギリシャの財政はプライマリーバランスが概ね均衡しており、政府は公的機関に対し、余裕資金があるば、中銀に引き渡すよう指示している。多くの業者は、ギリシャ政府からここ数ヶ月支払いが停止ししている。政府はその一部、もしくはすべてIOU(借用証書)で支払うことになるかも知れない。

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