北朝鮮当局が、来月開催予定の朝鮮労働党第7回大会に向けて、国内の引き締めを強化している。保安員(警察官)は、些細な違反も見逃さずに摘発、違反者から罰金を徴収する。
ここまでなら、北朝鮮当局の「年中行事」とも言える光景だが、今年は少し様子が違っているようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、罰金が北朝鮮ウォン払いではないという。
最近、咸鏡北道(ハムギョンブクト)を訪れた中国人商人は、些細な交通違反を犯してしまった時の様子を次のように語った。
「商品を載せて羅先(ラソン)に向かっていた中国のトラックが些細な交通違反を犯した。すると、保安員に車を停められ、違反切符を切られたのだが、罰金の欄に中国人民元で500元(約8450円)と書かれてあった」
確かに、北朝鮮国内では、ウォンの価値は下がり、外貨依存度は極めて高い。それでも、罰金は北朝鮮ウォン払いだったと、2009年まで北朝鮮にいた脱北者は語った。
しかし、最近では危険なシラミ取り石鹸を売っていた商人は3000元、携帯電話で中国や韓国へ違法通話を行った人は5000元を払わなければならない。
罰金の外貨払いその裏には北朝鮮独特の事情があった。
北朝鮮ウォンは価値も信用も低い上に、最高額紙幣は5000ウォン(約3.7人民元、75円)だ。500人民元を北朝鮮ウォンで支払うとなると、5000ウォン紙幣が135枚、分厚い札束が必要になってくる。
また、いくらワイロが蔓延している北朝鮮と言えども、札束を渡すところを他人に見られるのは、やはりよろしくない。人民元なら、握手するふりをして、こそっと渡せる。しかし、保安員が罰金の外貨払いを要求するのは、もう一つの理由がある。
国際社会の経済制裁が強まる中、北朝鮮当局の手に入る外貨はますます減少することが予想されるなか、当局は各機関の一人一人に「忠誠の資金」、つまり「外貨」での上納金のノルマを課している。
保安員は、そのノルマをこなすために罰金の徴収に躍起になっているというわけだ。カネを持っていそうなトラックを狙い撃ちしていることからも、その意図は明らかだ。 デイリーNKより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年4月10日日曜日
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