2016年4月17日日曜日

米企業50社が税逃れ

国際援助団体オックスファム米国は14日、米国の大企業上位50社が世界各地のタックスヘイブンに約1兆4000億㌦(153兆円)を隠し持ち、課税を逃れているとする報告書を発表した。課税逃れが医療や教育への投資を妨げ、格差拡大や経済成長の停滞を招いていると告発した。

それによると、50社は2008年~14年に総額4兆㌦(436兆円)の利益を上げてました。タックスヘイブンの利用や各種の優遇税制により、実質的な法人税負担は法定税率(35%)よりも低い26.5%になっているといいます。

50社はタックスヘイブンに1600社を超える子会社を置いている事を明らかにしています。ただ、米政府当局は海外の子会社について厳格な報告を求めていない為、これらは氷山の一角に過ぎないと報告書は指摘。

カリブ海の英領ケイマン諸島にある一つの事務所を1万8857社が登録住所として使っている実態などを紹介しています。

こうして課税逃れによって米国が失っている税収は111億㌦(12兆1000億円)にのぼります。報告書は、同規模の予算があれば米国内の貧困状態にある子どもの60%を救え、インフラ整備に投資すれば62万人分の雇用を作れると指摘しています。

また、世界全体では多国籍企業の課税逃れで、発展途上国が毎年推計1000億㌦(10兆9000億円)の税収を失っている。報告書によるとこの額は、後発開発途上国47ヶ国が9億人に費やしている教育予算の4倍に相当。22億人超に基本的な医療や安全な水、下水道設備を提供できる額です。

報告書は、公平な税負担が医療・教育・低所得者の保護、インフラ整備などに不可欠だと指摘。企業による税逃れは危険なまでに広がった不平等な原因になっており、社会構造を破壊し、経済成長を阻害していると批判しています。

報告書は、法人税の引き下げ競争ではなく、課税逃れを防ぐ国境を越えた協力、企業活動の透明性や透明性や説明責任の強化を呼びかけています。特に米国に拠点を置く全ての多国籍企業に対し、経済活動や納税状況の詳細について報告の公表を義務づける法案を米議会で通すことを求めています。

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