中国メディアの新浪網は、米国がサウジアラビアと約1100億ドル(約12兆円)の武器輸出で合意したもののF−35ステルス戦闘機は含まれていなかったとして、中国が開発中のFC−31を輸出するチャンスだと主張している。
サウジアラビアに対する大量の武器輸出は、トランプ米大統領の同国訪問に合わせて発表された。トランプ大統領には、自国の軍事産業に利益をもたらすと同時に、サウジアラビアはイランとは国交も断絶するなど敵対関係にあることから、イラン抑え込みの思惑があったと考えてよい。輸出に合意した武器には護衛艦なども含まれる。サウジアラビアはペルシャ湾を挟んでイランと向き合っているため、海軍力の増強は同国にとって重要な意味を持つ。
一方で、F−35の売却を認めなかったことは、イスラエルの安全問題に配慮したものと見られている。記事は1980年代からの米国のサウジアラビアに対する軍用機売却を振り返り、「米国が売却した早期警戒機のE−3Aや戦闘機F−15といった機種は純粋に防空戦闘機であり、地上攻撃能力はなかった」と指摘。そのためサウジアラビアは、地上攻撃能力がある機種として英独伊が共同開発したトーネードIDS攻撃機を購入することになったと紹介した。
さらにF−15について、「米国はイスラエルに対しては本来の性能そのままの『完全版』を輸出したが、サウジアラビアに対しては対地レーダーを取り外し、空対地ミサイルを発射できないタイプなど、性能を落とした機体しか売却しなかった」と説明した。米国はその後、サウジアラビアに地上攻撃能力を持つF−15SAなどを売却したが、その背景にはサウジアラビアが地上攻撃能力を備えた欧州共同開発のユーロファイター・タイフーンを導入し、米国がイスラエルへのF−35売却を決定したことがあったという。
記事によると、F−35は作戦行動半径が1000キロメートル前後あり、サウジアラビアが配備すればイスラエル全土が攻撃圏内となり、しかもステルス機であるためイスラエルにとって重大な脅威となる。そのため、仮に売却するとしてもかつてのF−15の場合と同様に、地上攻撃能力を大幅に劣化したバージョンになるはずだ。
記事は改めて、サウジアラビアはかつて、「完全版のF−15」を入手できないとの状況において、ユーロファイター・タイフーンを導入したことに注目。現在はF−35を入手できない状況であり、しかも欧州には代替になる機体がなく、一方で中国にはF−35の代替となりうるステルス機のFC−31があると指摘した。
FC−31は瀋陽飛機工業集団が甲斐名都中のステルス戦闘機のJ−31(殲−31)の輸出版。J−31は実際には中国軍による採用を前提とせずに開発されている機体であり、J−31の名称もメディアが試験機に冠した仮称。そのため、FC−31はJ−31の改良・量産型と解釈すべきとの考え方もある。
記事は最後の部分で、サウジアラビアの状況を考えればFC−31輸出の千載一遇のチャンスであるとして、中国の航空関連企業は完成を急ぐべきと主張。サウジアラビアへの輸出が成功すれば同機売り込みの「最大の広告」となり、国際市場におけるF−35の独占状態を打破する望みも出てくるとの考えを示した。 レコードチャイナより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年5月28日日曜日
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