2017年5月28日日曜日

メガマウス出現で7月下旬までに大地震確定か .

今月22日朝、千葉県館山市の沖合で深海ザメの一種「メガマウス」が定置網にかかった。生きて泳ぐ姿を見られることは極めて珍しく、同日午後には東京海洋大名誉博士のさかなクンも現地調査に乗り出すなど大きな話題になったため、ニュースを覚えている読者も多いのではないだろうか。そして26日、今度は三重県の熊野灘でまたもメガマウスが漁船の網にかかり、水族館への引き取りが検討されているという。
 
残念なことに千葉のメガマウスは翌朝に死亡が確認されたが、話はこれだけで終わらない。いや、終わらせてはいけない。そう、このメガマウスの出現は以前から“大地震の前触れ”といわれているのだ。すでに過去の記事でも多くの事例を紹介したが、その後もメガマウスの水揚げに対応する大地震は連発している。今回は、注意喚起の意味も含めて、改めてメガマウスの出現と大地震の“不穏なつながり”について考察してみたい。

■メガマウスの出現→M6以上の大地震がくる!

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画像は「朝日新聞 DIGITAL」より引用

ネズミザメ目メガマウスザメ科に属するメガマウスの正式な名称は、「メガマウスザメ」。1976年にハワイで初めて発見されて40年以上が経つが、いまだ詳しい生態などはわかっていない。太平洋やインド洋などの水深200m付近、やや浅い深海に生息しており、過去の目撃・捕獲例は世界を見渡しても120例ほど。そのうち20例ほどが日本近海に出現している。

さて、筆者は前述のように2014年4月の記事で、静岡市の由比漁港でメガマウスが漁獲された事例を紹介した。ではその後、これに対応する地震は起きていただろうか。実は、出現から21日後となる同年5月5日、伊豆大島近海でM6.0、最大震度5弱の大きな地震が起きていたのだ。震源までの距離とタイムラグからいっても、メガマウスの出現はこの地震の前兆現象だったと思われる。

上記の例を含め、筆者が過去のデータを収集・解析したところ、日本近海にメガマウスが出現した事例のうち大半のケースで、1カ月あるいは2カ月以内にM6.0以上の大きな地震が起きていたことが判明した。さらに、地震の規模が大きくなるほど、メガマウス出現から発震までの遅延は長くなる傾向も発覚している。下記にいくつかの実例を挙げる。

・ 1989年1月23日:静岡県浜松市の海岸 → 1989年3月6日:千葉県東方沖(M6.2)
・ 1989年6月12日:静岡県焼津市沖の定置網 → 1989年6月17日:鳥島近海(M6.6)
・ 1997年4月30日:三重県尾鷲市沖 → 1997年5月13日:鹿児島県北西部地震(M6.4)
・ 2004年4月19日:千葉県市原市の埠頭 → 2004年5月30日:房総半島南東沖(M6.7)
・ 2004年4月23日:静岡県網代沖 → 2004年5月30日:房総半島南東沖(M6.7)
・ 2005年1月23日:三重県度会郡紀勢町沖 → 2005年3月20日:福岡県西方沖地震(M7.0)
・ 2011年1月14日:三重県尾鷲市沖 → 2011年3月11日:東日本大震災(M9.0)
・ 2014年4月14日:静岡県清水市沖 → 2014年5月5日:伊豆大島近海(M6.0)
・ 2016年4月14日:三重県尾鷲市の漁港 → 2016年4月16日:熊本地震(M7.3)

最後の例は、記憶に新しい熊本地震のケースだ。メガマウスの出現地と震源地が500kmほど離れていること、水揚げされた日の夜に熊本地震の前震(M6.5、最大震度7)が発生し、2日後に本震が起きたという遅延の短さなども若干気になるところだが、やはりメガマウスの出現後に地震が起きるという一連の流れは変わらない。これは、対応するケースと考えるべきだろう。

そして特に注意して見てほしいのは、三重県の事例だ。同県にメガマウスが出現すると、その後に発生する地震の震源が、遠くは東北地方から九州に至るまで極めて広範にわたっていることがわかる。さらにその規模も、福岡県西方沖地震(M7.0)、東日本大震災(M9.0)、熊本地震(M7.3)と軒並み巨大な地震ばかりが続いているのだ。そして今、またも三重県にメガマウスが出現してしまった。これは今後しばらく、東北地方から九州までの広範囲を震源とする巨大地震が起きる可能性を想定しなければならない。

メガマウスが地震の前兆を感じ取る理由
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赤い部分がロレンチーニ器官 画像は「Wikipedia」より引用

では、なぜこのように大地震の前触れとしてメガマウスが出現するケースが多いのだろうか? 過去の記事でも説明したように、サメには「ロレンチーニ器官」という特殊な身体部位があり、微弱電流を捉えることができる。なんと100万分の1ボルトという微弱な電位差さえ感知することができるほど高精度なのだという。地震前には地中の岩石破壊によってパルス電磁波が生じるといわれるが、海中にも電流が発生し、それを回避するために深海から水面付近に上ってくるものと考えられる。深海という、より海底に近い環境で生息しているからこそ、とりわけ敏感に地震前兆を感じ取っているのかもしれない。

メガマウス以外に大地震の前に現れるといわれる深海魚では、中国語で「地震魚」の異名をもつ「リュウグウノツカイ」もよく知られており、実例も数多く存在する。だが、筆者のデータ解析によると、確率的にはリュウグウノツカイよりもメガマウスの方が、出現後に大地震が起きる可能性が高いようだ。少なくとも今後1カ月、M7以上の大地震の場合は最大2カ月間ほど、つまり7月下旬までは東北~関西の太平洋側における海溝型地震、あるいは内陸地震に十分注意していただきたい。 トカナより

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