2017年5月30日火曜日

生涯を通して闘争に明け暮れた毛沢東

近代の百年以上の歴史が物語るように、共産主義は「この世のユートピアを創造する」との名目で闘争、飢饉、虐殺、恐怖を人類社会に広げ、一億人もの人々の非正常死をもたらした。共産主義国家が消えていく今日、これまで語られてこなかった負の歴史を、大紀元はシリーズ社説「共産主義の終焉」のなかで解き明かしていく。

中国共産党が鼓吹し続けてきた暴君・毛沢東は、生涯を通して闘争に明け暮れた。毛沢東はマルクス、レーニン、スターリンと同様に暴力を嗜好した。毛沢東は大の闘争好きで、「天と闘えば、楽しみは尽きない。地と闘えば、楽しみは尽きない。人と闘えば、楽しみは尽きない」はまさにその「名言」だ。その闘争と度重なる「運動」は中国に多大な苦難をもたらした。

1955年、新しいビルが建つと、毛沢東思想のスローガンがビルを覆うように貼り付けられた(Richard Harrington/Three Lions/Getty Images)
毛沢東は存命中に幾度となく国民を政治「運動」に駆り立てた。土地改革、反革命鎮圧運動、三反五反運動、反右派闘争、大躍進、文化大革命とほぼ十年おきに国民に「運動」させた。荒唐無稽なこれらの「運動」で数千万の中国国民が死亡し、中華伝統文化も壊滅的な被害を被った。社会の道徳規範は無に帰し、暴力と欺瞞が横行した。

1957年、毛沢東はソ連を訪問し、共産党政権の世界大会で次のように述べた。「たかが核戦争ではないか。核戦争がなんだと言うのだ。世界には27億人いるから、半分死んでも半分は生き残る。中国人は6億人だから、半分死んでも3億は残る」

毛沢東の歯に衣着せぬ話で、共産主義者の理を世に知らしめた。それは、生命に対する軽蔑だ。共産党の暴力主義はその本質的部分にまで浸透しているため、共産党が存在する限りその暴力的な本質は変わることはない。

1966年6月、紅衛兵たちは、毛沢東思想の教本を掲げて、大学生や高校生を率いて北京を行進する(JEAN VINCENT/AFP/Getty Images)

数千年におよぶ人類の歴史をみれば、人間は天地に対し畏敬の念を抱き、神仏を信仰し、善悪には報いがあると信じてきた。人類は生命を尊重し、惻隠の心を持ち、自らの言動を律してきた。これは人類社会の道徳と秩序を守る上で需要な役割を果たしてきた。

しかし共産党は人々の神仏に対する信仰を根本から破壊し、極悪非道で道徳心のない「指導者」たちを神棚に祭り、崇拝してきた。そして共産党指導者に対する崇拝を権力でもって民衆に強制した。例えば毛沢東は国民に神の代わりに自分を信じるよう強制した。悪魔信仰の表れといえる。

『共産主義黒皮書』の統計によると、20世紀における共産主義の被害者は世界で約1億人に達すると推計されている。その内訳として、ソ連2000万人、中国6500万人、ベトナム100万人、北朝鮮200万人、カンボジア200万人、東欧諸国100万人、ラテンアメリカ15万人、アフリカ170万人、アフガニスタン150万人、共産党政権誕生以前の各種運動による死者約1万人。多くの学者は、共産主義による被害者数は上記よりもさらに多いと指摘する。例として、中国では8000万人以上が死亡したとする有力説がある。

悪魔にとりつかれていなければ、人類に対する極端な恨みがなければ、これほどの大虐殺はできなかっただろう。しかもこのような悲劇はほとんどの共産主義国家で繰り返された。通常の社会では、共産党の指導者は殺人鬼や強盗と公認され、彼らを正当化する余地はもはや残されていない。 大紀元日本より

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