2017年5月29日月曜日

日本版GPSを防衛利用へ 北朝鮮の妨害電波を防御 政府、1日に衛星打ち上げ

 

 政府は日本版の衛星利用測位システム(GPS)の本格構築に向けた第一歩となる準天頂衛星「みちびき」2号機を6月1日、種子島宇宙センター(鹿児島県)で打ち上げる。緊迫した北朝鮮情勢が続く中、自衛隊の利用への妨害電波を防ぐ高度なセキュリティー機能を搭載。本格運用時には米国のGPSに頼らなくても任務を遂行でき、民間利用だけでなく安全保障上も重要な役割を担う。 

みちびきは電波を使って地上の位置を計測する衛星。内閣府が今回の2号機を含め年内に3基を打ち上げ、来年4月に米国のGPSとの併用で24時間運用を始める。誤差約10メートルのGPSをはるかにしのぐ同6センチの高い位置精度が強みだ。

米国のGPSは民間のカーナビゲーションやスマートフォンなどのほか、自衛隊の航空機や艦船でも利用されている。平成35年度にみちびきが7基体制になると、GPSに頼らなくても部隊運用が可能だ。

幹部は「独自のバックアップ態勢を組むことは歓迎すべきことだ」と話す。みちびきは幅広い民間利用が期待されているが、今回の2号機以降は高度に暗号化した特殊な測位信号も発信する。敵国の妨害電波や偽の信号による攪乱(かくらん)を防ぐことができ、内閣府は「技術的には安全保障上の利用にも耐えうるレベルだ」と指摘する。

GPSは冷戦時代に米国が軍事目的で開発し、防衛省・自衛隊も部隊運用のほかミサイルの精密誘導など多くの場面で活用してきた。北朝鮮の弾道ミサイル対策として議論が続く「敵基地攻撃能力」を保有した場合に攻撃手段の候補となる米国の巡航ミサイル「トマホーク」もGPSを使って命中精度を上げている。

これに対抗するため北朝鮮は近年、韓国に向けてGPSの妨害電波を繰り返し発信。航空機や船舶の運航に広範囲で障害を与えた。朝鮮半島有事の際、日本に向けて妨害電波を発信する可能性もあり、自衛隊関係者は「みちびきの信頼性が確認されれば、こうしたリスクは減る」と話す。今後は装備品の改修に伴う費用対効果の検証も必要になる。 産経ニュースより 

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