トランプ米大統領の娘婿、クシュナー上級顧問とロシアとの関係を巡る疑惑が深まっている。米紙ワシントン・ポスト(電子版)など複数の米メディアは26日、クシュナー氏が政権移行期に当たる昨年12月、ロシアの施設を使い秘密の通信回線を設置できないかロシアの駐米大使に打診していたと報じた。
同紙は米高官の話として伝えた。ロシアのキスリャク駐米大使がロシア政府高官に報告した内容を米情報機関が傍受したという。
報道によると、クシュナー氏は昨年12月、ニューヨークのトランプタワーでキスリャク大使と会談した際、在米ロシア大使館などにある通信機器を使い、政権移行チームとロシア政府の間に安全で機密性の高い回線を設けることを提案した。会談には、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)も同席していた。回線は設置されなかった。
クシュナー氏による提案の狙いは不明だが、トランプ氏や周辺は政権発足前からロシアとの関係改善を進める意向を示していた。当時のオバマ政権に察知されずに、制裁解除などについてロシア側と協議する意図があった可能性も指摘される。
クシュナー氏はかねてロシア関係者との交友関係が指摘されていた。米連邦捜査局(FBI)もこうした点に関心を持ち、ロシアを巡る疑惑解明に向けた重要人物とみているもようだ。
クシュナー氏は父の後を継いで不動産開発会社を経営し、2009年にトランプ氏の長女イバンカさんと結婚した。大統領選の政策立案では中心的な存在だった。政権でも外交面などで重要な役割を担っている。 日経新聞より
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2017年5月27日土曜日
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