北朝鮮には、「チャンマダン世代」と呼ばれる若者たちがいる。
かつての北朝鮮では、質や量は十分でなくとも無償で教育、医療、食料の配給が得られ、人々は国家に依存して暮らしていた。
ところが、1990年代後半に「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉が起きたことで、様相は一変する。上記のような無償・配給システムは崩壊し、チャンマダンと呼ばれる市場でモノを売らなければ生きていけない状況となったのだ。
そのような時代しか知らない30代前半までの若者たち――チャンマダン世代は、昔の日本の流行語で言えば「新人類」だ。彼らにとって、国家や指導者は商売の邪魔をし、自由なライフスタイルに干渉する「ウザい存在」に過ぎない。
北朝鮮当局は最近、そんな若者たちに対する思想教育を強化している。職場の始業前の時間をみっちり使っての取り組みだが、むしろ逆効果を生んでいるようだ。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、羅先(ラソン)市青年委員会は最近、朝の「読報」(新聞を読む時間)を使って、若者を対象に、朝鮮労働党の「党の唯一領導体系確立の10大原則」と、金日成社会主義青年同盟の義務、権利、金日成主席と金正日総書記の教えなどの学習を行っている。
ある初級青年委員会では、午前7時から2時間、金日成・正日氏の偉大性についての解説、マルスム(お言葉)、10大原則の暗記をさせている。担当者は、スラスラと暗唱できなければ「終業後も家に帰さない」と言っているとのことだ。
金正恩党委員長は2015年12月、「青年たちに対する思想教育事業を3倍強化せよ」との指示を下した。それが今頃になって復活したというのだ。地方幹部が上役の覚えをよくしようと、過剰に忠誠心をアピールしているようだ。
しかし、いくら思想教育を施して「指導者を尊敬しろ」と言ったところで、国家や指導者に何かをしてもらった経験のない世代の心に、そのような気持ちが芽生えるはずもない。指導者はむしろ、嘲笑の対象にすらなっている。
とりわけ、経済特区の羅先は外国からの情報に接しやすい地域で、中国や韓国の人々が自分たちよりもいい暮らしをしていることを知っているからなおさらだ。
一方、両江道(リャンガンド)の情報筋によると、若者たちは思想教育に従順に従い、スローガンを叫んではいるが、その裏では仲間内で密かに集まって、韓国のK-POPを聞いてダンスを楽しんでいるという。
そのような若者たちは、当局側が金日成氏や金正日氏の「偉大性」を強調すればするほど、逆に「押し付けがましい」と嫌悪感を募らせる傾向が強いという。 yahooニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年5月26日金曜日
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