米紙ワシントン・ポストなどによると、東シナ海上空を飛行中の米軍偵察機に中国軍戦闘機が5月17日に異常接近し、飛行を妨害したことが明らかになった。中国軍機の行動は軍事衝突を引き起こしかねない危険な行為で、中国の本質的な対外姿勢を表している。一触即発の無謀な行為を続ける中国に米側の不信も高まる一方だ。
わずか45メートルの「異常接近」
中国軍戦闘機「Su30」から異常接近を受けたのは米空軍の特殊偵察機「WC135」で、大気中に浮遊する放射性物質を測定することができる。核実験が行われた場合に、事前に調査していた大気の状態と比較することで核実験の内容を調べることが可能だ。
米空軍によると、今回の東シナ海上空での飛行は国際空域における定期的な任務の一つだという。米CNNに対し米当局者が話したところによると、北朝鮮による核実験に備えて同機を北東アジア地域に派遣しているという。
中国軍戦闘機は、米空軍偵察機に対し、高度差わずか約45メートルに異常接近。そのうち1機は、米空軍偵察機の真上を背面飛行する挑発行為を行った。米国は中国に抗議しているが、米軍側は中国軍戦闘機の操縦は「プロらしくない」と批判している。
「戦争を誘発する危険な行為」
時速数百キロのスピードで飛行する上空にあって45メートルという距離は、ごくわずかの操作のズレで航空機同士の衝突を招く恐れが高い。ましてや敵対的な関係にある国同士の軍用機となれば軍事衝突にも発展しかねない。
中国軍機による米軍機への異常接近は頻発しているわけではないが、2016年には2回発生した。米軍関係者は、中国軍機による挑発行為に対し「安全性を無視したまったくクレイジーな行動だ」と強く批判する。
軍用機パイロットは通常、決められたルールに基づいて偶発的な衝突を避ける行動をとる。しかし、挑発行為でも攻撃を受ける可能性が高まると判断されれば、反撃に備える必要があり、米軍関係者は「戦争を誘発する危険な行為」と指摘する。
中国の「二枚舌」による覇権主義
中国軍機のパイロットの腕前が優れていたとしても、ちょっとした操作ミスが軍事的な衝突に発展する。
中国軍内に「米軍を脅かしてやれ」「米軍になめられるな」という強硬的な姿勢があるとすれば、それは南シナ海や東シナ海で国際法を無視して領有権を主張する外交方針と連動して地域の安定を大きく脅かす。
中国は近年、途上国支援や国連平和維持活動(PKO)に取り組み、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を提唱している。しかし、その流れとは全く正反対の軍事衝突をも辞さない姿勢は「中国の二枚舌による覇権主義」(安全保障問題専門家)の姿をあぶり出している。
産経WESTより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
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