● 中国北部でまた炭鉱爆発、32人死亡 週内に2件目
世界でも最も多い石炭の生産量を誇る中国ですが、それだけに炭鉱での事故も並外れて多くあります。上記のニュースは12月4日のもので、内モンゴル自治区で起こった炭鉱事故の記事で、報道によれば死者は32名とあります。
そのほか、ここ数ヶ月で起こった炭鉱事故を以下に列記しましょう。
9月28日● 炭鉱のガス爆発で18人死亡、2人不明 中国・寧夏回族自治区
11月1日● 中国の炭鉱でまた爆発、15人死亡18人不明
11月11日● 違法操業の炭鉱でガス噴出、20人死亡 23人不明 中国雲南省
12月3日● 炭鉱爆発で21人死亡、生存者1人の救出活動続く 中国・黒竜江省
報道によれば、中国ではこれでも炭鉱事故は減少の一途を辿っているそうです。そもそもエネルギーとして石炭にこれほど頼っているのは途上国の証です。
電気、ガス、水道といったインフラが整備されていないために石炭に頼るしかない。石炭なら無尽蔵にあり、安く手に入ると思っているから、どんどん石炭を消費する。特に冬、寒さが厳しい地域は石炭をどんどん燃やして暖を取るわけです。
この石炭を燃やすことが大気汚染へとつながり、高い建物が乱立する都市部では空気がこもって「まるでガス室」だとさえ表現されています。
また、炭鉱労働者は貧しく、どんなに厳しい環境に耐えて働いてもあまり報われません。石炭の価格は下落する一方だし、中国各地には数多くの炭鉱があり、生産過多となっているからです。そこで、労働者による金銭目当ての犯罪も起こります。
複数の炭鉱企業から賠償金をゆすり取る目的で17人を殺害した容疑で74人が訴追された事件がありました。炭鉱で事故に遭い死んだとして遺族を装って炭鉱企業をゆるす手口だそうです。
● 炭鉱事故装い17人殺害、賠償金ゆすった容疑で74人訴追 中国
金銭至上主義、人間不信の中国社会では珍しい話ではありませんが、炭鉱労働者が置かれている環境を鑑みると、同情すべき点もあります。
中国の石炭産業には多くの問題があります。事故が多いのはもちろん、労働者は奴隷です。また、盗掘も頻繁で、政府軍と石炭をめぐる武力抗争も多発しています。
石炭を満載している列車は頻繁に強盗に襲撃され、今でも石炭抗争は昂進中です。中国問題の根源は、まさしくこの資源と人口問題です。マルサスが、もしも遥か2,000年前の漢の時代から中国の資源と人口問題の深刻さを知っていたら、もっと説得力のある「人口論」が書けたはずです。すでに2,000年前の「孟子」や「韓非子」では、これらの問題が提起されています。
世界で石炭生産量が最も多いのは中国で、次いで2位にはアメリカがランキングしていますが、石炭の国内消費量を見ると、生産した多くを自国で消費する中国とは違い、アメリカは輸出や工業用としての使用が多いようです。
● 世界各国の石炭埋蔵・採掘・輸出入量などをグラフ化してみる
どれだけ中国が世界で虚勢を張ろうと、その実像は人民が石炭を燃やして暖を取り、労働者たちは過酷な労働環境に耐え続けても、まだまだ報われない途上国なのです。
こうした状況を打開するためには、やはり方法はひとつしかないでしょう。中国は広すぎるのです。広すぎるなら中国共産党が統治できる範囲内で統治すればいい。それ以外は、自治を促進すべきなのです。
台湾の蔡総統がトランプ氏と電話したからといって、何の問題があるでしょうか。台湾ではもう石炭で暖を取っていません。きちんと電気やガスを使用する暖房を使えるようなインフラ整備国です。環境汚染にも配慮し、工業や産業用の石炭を使用する際には適切な措置を取って、大気汚染防止に努めている先進国なのです。中国とは一線を画していることを直視するべきです。
中国が抱える大きな課題の一つに貧困があります。僻地の貧困層には未だに政府の手は届かず、生活保護という制度はあっても、それを受給するためには賄賂が必要だとも言われています。賄賂を出す余裕があるなら、生活保護は必要ないでしょう。最近、甘粛省の貧村では貧困に耐えられず子供4人を含める一家6人が無理心中したという事件もありました。
● 貧困と戦う中国、それでも救われぬ人々
習近平政権は貧困撲滅を謳い、貧困対策の成果をメディアで宣伝しています。貧農を救った政府支援の話など、メディアには夢のような話が踊っています。それらが本当であることを祈るしかありません。これ以上、罪のない人命を無駄にしないためにも、中国はしっかりと統治できる国土範囲を自覚するべきでしょう。
中国は、エネルギー資源として今もなお石炭に依存しており、PM2.5の元凶となっています。石油に関しては、輸入国に転落してからすでに10数年も経過しており、エネルギー資源のみならず食糧資源さえもシーレーンに頼らざるを得ない状況です。
そして、目下世界の7つのシーレーンを制しているのはアメリカです。アメリカは日本のみならず、中国の生命線まで制しているのです。中国が「米帝」にいくら抵抗しようとしても、弱みがあまりに沢山ありすぎて負け犬の遠吠えでしかありません。「アメリカは張り子の虎だ」と口で非難しても、その「張り子の虎」に首根っこを押さえられているのが中国なのです。
ことに、今の人口は13億人を遥かに超えています。世界の資源をすべて中国に集中させても不足するほど、中国は生態学的な問題を抱えています。中国の四最と言われるものに、「資源最小、人口最多、欲望最大、道徳最低」というのがあります。石炭問題は氷山の一角にすぎません。
MAG2NEWSより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年12月9日金曜日
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