「高齢者」の定義引き上げを提案へ
日本経済新聞は20日、内閣府が「高齢者の定義」を70歳以上に引き上げることなどを提案する報告書をまとめ、近く公表すると報じた。
高齢者の定義を「70歳以上」に引き上げ、定年延長や所得に応じた負担増などを想定。働く人を増やして、生産年齢人口を維持できる仕組みなどを構築するという。
現在は「65歳」から高齢者
現在、内閣府は高齢者を「65歳以上」と定義している。高齢者人口は年々上昇しており、2015年10月1日時点で3392万人、日本の総人口の26.7%が高齢者。
2060年には高齢化率が39.9%になり、労働の中核を担う生産年齢(15歳~64歳)は現在の約60%から50%程度に減少すると推計されている。
経済・社会保障に懸念
このまま生産年齢人口が減っていけば、日本では経済縮小と共に、増え続ける社会保障費を賄えるだけの収入を確保することも困難に。
OECDは2012年に生産年齢人口の減少を抑えるために「定年年齢の引き上げ」や「高齢者の活用」を提言していた。
「65歳=高齢者」は時代に合わない?
日本では医療技術の発展に伴い、日常生活に制限のない期間「健康寿命」が延伸。2013年における男性の健康寿命は71.19歳、女性の健康寿命は74.21歳となった。
2014年に内閣府が60歳以上を対象に「自分が高齢者だと感じるか?」と質問したところ、65歳~69歳で「はい」と答えたのはわずか24.4%。
「何歳ころから高齢者だと思うか?」という質問に対して、最も多かったのが「70歳以上(29.1%)」という答えだった。
さらに、高齢者白書で「何歳まで働きたいか?」と聞いたところ、「働けるうちはいつまでも」という回答が28.9%で最多となった。
ネット上には賛否両論の声
高齢者の定義が65歳→70歳に引き上げられることを、世間の人々はどう考えているのだろうか?
ネット上には「賛成。ない袖を取り繕うより現実的」「もはや老後などない」という声がある一方で、「不都合な真実」「行政の都合だけで線引きしないで欲しい」「小手先」といった声も。
また、「年金制度と直結する問題」「70歳定年に」「年々1歳ずつ上がっていくかもな…」と引上げによる今後の影響を懸念する声もみられた。
政府は「生涯現役社会」を目指している
高齢者の定義が「70歳」に引き上げられた場合、どのような影響があるのだろうか?
経済産業省の資料には「雇用者の雇用環境を整えた上での年金支給開始年齢の引き上げ」を検討する内容が書かれている。また、別の政府資料には年金制度の抜本的改革として「高齢者の定義を75歳へ」「厚生年金の支給開始年齢を75歳に」という提案も。
政府は「生涯現役社会」の実現を目指しており、定年延長などに取り組んでいる。IRORIOより
0 件のコメント:
コメントを投稿