2016年12月18日日曜日

安倍-プーチン会談のウラ 対中密約か、トランプ氏含め3国で習氏に圧力

安倍晋三首相は15日夜、地元・山口県長門市で、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を行い、16日には東京に移動して首相官邸で平和条約締結に向けた協議を続けた。今回の会談では、領土問題を含む平和条約締結交渉の進展が注目されているが、同時に、安全保障をめぐる緊密な協議もあったようだ。アジアでの軍事的覇権を目指す中国を牽制(けんせい)する、日米露連携が構築されるのか。

「日露両国が安全保障上の関心事項について率直な意見交換を行うことが重要だ」

安倍首相は15日の首脳会談で、プーチン氏から提案があった外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)の再開について、こう応じた。

日露両国の2プラス2は、2013年11月に1度だけ開催しているが、これを復活させ、安全保障分野で緊密に連携していこうというのだ。また、合同捜索・救助訓練の再開を確認するほか、訓練海域を広げて対テロや海賊対策も実施する方向だ。

東アジアや北極圏でプレゼンスを高める、習近平国家主席率いる中国に対する牽制という意味もありそうだ。

日露2プラス2は、早ければ年明けにも開催し、日本側は岸田文雄外相と稲田朋美防衛相が出席し、ロシア側はラブロフ外相とショイグ国防相が参加する見通し。

今回の首脳会談では、日露間の経済連携を中心に議論され、8項目の対露経済協力プランの内容を具体化した事業などで合意。両首脳は16日午後、共同記者会見に臨んだ。

「領土問題」と「経済協力」がクローズアップされたが、日露の安全保障上の連携は、東アジアの地政学を大きく変えることになる。

ドナルド・トランプ次期米大統領は、世界各国の首脳で真っ先に安倍首相と会談し、選挙中からプーチン氏を評価していた。一方、台湾の蔡英文総統と電撃的な電話協議を行い、米メディアのインタビューで、中国の主張する「1つの中国」政策や南シナ海での軍事的覇権に異議を唱えた。

日米露が安全保障で連携すれば、中国は震え上がる。

国際政治学者の藤井厳喜氏は、日露2プラス2について「非常にメリットがある。日本とロシアの『仮想敵国は中国だ』という共通認識ができた」といい、続けた。

「日露間が安全保障分野で連携することは、『お互いが軍事的に敵対する国ではない』ということを確認でき、両国間の信頼関係を醸成できる。『友好関係を深めてから、領土問題を解決しよう』というロシア側のメッセージではないか。オバマ米政権は日露の接近を警戒してきたが、今回の動きを見ると、安倍首相は事前に根回ししている可能性が高い。トランプ氏は『親露反中』という姿勢を明確に示している。日本が米国とロシアと歩調を合わせることは、中国を押さえ込む戦略上、非常に重要だ」  夕刊フジより

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